演題

RS2-108-18-2

腹直筋の変化に留意した前方アプローチによる腹壁瘢痕ヘルニア修復術

[演者] 長谷部 行健:1
[著者] 松本 悠:1, 皆川 輝彦:1
1:汐田総合病院

腹直筋の性状変化,変位は,体幹の屈曲,捻じれ,腹圧コントロール等の腹壁機能に影響を及ぼすと報告されている.腹壁瘢痕ヘルニア術後のメッシュの膨らみ(bulge),弛み(slack)などは腹直筋の性状,変位を引き起こし腹壁機能の低下が懸念されることより,手術にあたってはメッシュの異常を引き起こさないような術式が望まれる.当科で施行している前方アプローチによる腹壁瘢痕ヘルニア修復術は,メッシュの問題を起こすことなく,変化した腹直筋の性状,位置を原疾患手術前のより生理的に近い状態に改善させる方法である.術式,腹直筋の術前後の変化,成績について報告する.(手術手技)①ヘルニア門の全周性同定②左右腹直筋前鞘の門の大きさに合わせた切開 ③筋膜のflap状形成④左右の筋膜flapのOverlapによるヘルニア門閉鎖⑤前鞘筋膜欠損部をprosthesisで補強(対象と方法)2001年~2015年腹壁瘢痕ヘルニア症例53例中26例に本術式を施行.術後の腹直筋の性状変化を検討可能であった6例を対象に検討した.(検討項目)修復術術前後のCT横断像で腹直筋断面(横径(a),前後径(b)),左右腹直筋内側縁間距離(c),外側縁間距離(d))を測定し術前,術後の変化率を調べた.(結果)ヘルニア門による圧迫によって変形した腹直筋(前後径が増加,横径が短縮し涙的状に変形)は,術後に変形が改善し,左右腹直筋の内側縁間距離も短縮し,腹直筋の性状,位置は原疾患手術前の生理的に近い状態になった.筋膜切開による腹直筋の解放,腹腔内圧の適正化が腹直筋の変化,変位の改善に寄与したと思われた.(結語)当科で施行している前方アプローチは瘢痕ヘルニアによる腹直筋の変化,変位の改善に有効であると思われた.
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