演題

RS2-107-18-6

腹壁再建を伴う腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復手術

[演者] 長浜 雄志:1
[著者] 岡田 洋次郎:1, 岡島 千怜:1, 藤森 喜毅:1, 冨井 知春:1
1:九段坂病院 外科

【目的】これまで腹壁ヘルニア修復術は開腹によるmesh修復術が標準術式として用いられてきたが腹腔内留置型meshやトゲつき縫合糸などのの導入により腹腔鏡下修復術が選択される機会が増加している.今回腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術ついて検討し,今後の可能性について考察した.
【対象】対象は2016年に施行した腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術5例で,内訳は腹壁縫縮及び腹腔内からのmesh縫着を行うIPOM-plusが1例 IPOM-plusに加えて腹腔鏡下の外腹斜筋筋膜減張切開を行うIPOM-plus + Component Separation(CS)が3例 腹腔鏡下Rives-Stoppa法が1例である.
【結果】ヘルニア門の横径は40mm~90mm 平均61mmでIPOM-plus施行例では全例で腹腔内から筋層離開部のトゲつき縫合糸による縫合閉鎖 腹腔内留置型meshの縫着を行った.CSを施行した3例では横径が90mmと大きかった1例に対して両側のCSを,前回手術術式との関係で残る2例には片側のみのCSを行った.また臍部に限局し,ヘルニア門横径の40mmの例に対しては腹腔鏡下に腹直筋後鞘前の剥離,ヘルニア門の切離を行った上で腹直筋裏面にmeshを展開し,腹直筋前鞘,後鞘及び腹膜をそれぞれ縫合閉鎖する腹腔鏡下Rives-Stoppa法を行った.
術後観察期間は1-8月と短期間であるが,再発,Mesh感染,腹腔内Mesh留置に伴う腸閉塞などの有害事象を認めていない.肋弓下切開術後症例に対するIPOM-plus施行後の1例で術後疼痛に対して術後約2月間NSAIDS服用を要したが軽快した.正中切開術後の4症例ではいずれも腹直筋の縫合による腹壁再建を施行したが,慢性疼痛を認めていない.
【考察】従来の開腹による瘢痕ヘルニア修復では腹壁再建が行われないことによるMesh膨隆や再発,創や剥離範囲が大きいことと関連したMesh感染,などが問題であったが,腹腔鏡下に腹壁再建を付加するIPOMplusを選択することでこのような有害事象は明らかに減少した.さらに腹腔鏡下に行うCSは皮膚への穿通枝を完全に温存した状態で行えるため皮膚の血流障害や感染のリスクが解消された.また腹壁再建に加えてMeshをより理想的な腹直筋後鞘前への留置を行うRives-Stoppa法についても単孔式手術の応用により腹腔鏡下に施行可能となっており,その適応を拡大することでIPOMなどにおける腹腔内Mesh留置に関する懸念も解消することが可能である.
【結語】腹壁再建を伴う腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術は標準術式となり得る.
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