演題

RS2-107-18-4

会陰ヘルニアに対する経会陰修復術の実際

[演者] 石崎 雅浩:1
[著者] 杉本 龍馬:1, 伊賀 徳周:1, 吉田 亮介:1, 池田 宏国:1, 脇 直久:1, 河合 央:1, 西 英行:1, 山下 和城:1
1:岡山労災病院 外科

【はじめに】会陰ヘルニアは骨盤底を超え臓器が会陰部に脱出する状態と定義される.その治療は腹腔鏡下修復,会陰側からの修復などといろいろな方法が用いられている.我々の行った経会陰修復術について提示する.【症例】77歳女性,下部直腸癌で2001年直腸癌にて腹会陰式直腸切断術を行なわれ,同年会陰ヘルニアを診断された.しばらく経過を見ていたが2008年血管丙付きの腹直筋筋膜を他院形成外科にて施行された.2010年会陰ヘルニアの再々発を認め当院形成外科紹介となった.ご本人も再々手術を希望せず経過を観察していたが次第にヘルニア脱出が大きくなるため2015年外科にて手術を行うこととなった.【手術】ジャックナイフ体位にて手術を行った.前回の皮膚切開創を切除するように切開しヘルニア嚢に達した.ヘルニア嚢を切開するに,脱出臓器の癒着は認めず,脱出臓器である小腸の腹腔への還納は容易であった.ヘルニア嚢を剥離し,メッシュの固定位置として前壁は膣後壁,左右側壁は仙結節靱帯,後壁は尾骨骨膜を露出した.ヘルニア門の大きさは70mm(横)×50mm(縦)であった.ヘルニア嚢は縫合閉鎖したのちに,それぞれにPCOメッシュをトリミングし,1号ノバフィルにて縫合固定を行った.皮下にSBtubeを留置し手術を終了した.【術後経過】術後9日目に軽快退院しており,術後1年半経過した現在再発を認めていない.【考察】会陰ヘルニアは比較的珍しい疾患であり,多くは腹会陰式直腸切断術後の続発性会陰ヘルニアであり,頻度は約1%と稀である.しかし近年腹腔鏡下直腸切断術後に増加している傾向がある.会陰ヘルニアの治療については腹腔鏡下,経会陰式修復などが存在し,方法も直接閉鎖や筋皮弁を用いた方法やメッシュを用いた方法などさまざまである.最近では腹腔鏡下修復術も多く報告が認められるが,そのメッシュの固定位置なども一定ではない.メッシュを用いた経会陰式修復術ではヘルニア門までの距離が非常に近く,その固定部位も直視下に確認できるため非常に強固な修復が可能であると考えられた.【まとめ】会陰ヘルニアの経会陰式修復術の実際とその固定部位の露出の工夫について紹介した.
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