演題

RS2-106-18-6

再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下修復:intraperitoneal on-lay mesh (IPOM)法の有用性

[演者] 小笠原 卓:1
[著者] 山崎 眞一:1, 三宅 秀則:1, 黒田 武志:1, 荒川 悠佑:1, 四方 祐子:1, 淺野間 理仁:1
1:徳島市民病院 外科

背景:再発鼠径ヘルニアに対する術式選択については定型化されてはいないが,再発症例においては再々発や合併症の危険性も高いとされる.当院でも再発鼠径ヘルニアに対しては,腹腔鏡観察を先行施行し,前方アプローチでの修復:hybrid法などを施行してきたが,今回腹腔鏡下修復:IPOM法を施行した再発および再々発症例を経験したので報告する.
症例1:71歳,男性.2年前に両側鼠径ヘルニアに対し,修復術:前方アプローチ法(ポリソフト使用)を施行.術後早期に左側の再発を認め,1か月後に再手術:hybrid法(UPP使用)を施行.2回目手術直後の再発はなかったが,術後1年を経過し,再び左鼠径部の膨隆を自覚.他疾患での腹部CT撮影の際に左鼠径ヘルニア再々発を指摘され,前回術後2年経過で再々発に対する手術を施行.腹腔鏡観察で恥骨上部,腹直筋左側にヘルニア門(Ⅱ-1-Rec)を確認.比較的腹膜の牽引が可能であったため,ヘルニア門周囲の腹膜を切開し,腹膜前腔を展開,剥離.ヘルニア門から内側は腹膜前腔が十分剥離できたが,外側は以前のメッシュに伴う癒着が高度であり剥離困難であったため,メッシュはベントラライトSTを選択し,IPOM法で修復.以後,鼠径ヘルニアの再発,合併症なく経過.
症例2:72歳,男性.1年前に左鼠径ヘルニアに対し,修復術:前方アプローチ法(ポリソフト使用)を施行.術後1年経過し,左鼠径部の膨隆を自覚.前回術後1年経過で再発に対する手術を施行.腹腔鏡観察で恥骨上部,腹直筋左側にヘルニア門(Ⅱ-1-Rec)を確認.ヘルニア門外側は前回のメッシュにより腹膜前腔の剥離は困難であり,内側のみ腹膜前腔を剥離し,ベントラライトSTを用い,IPOM法で修復.以後,術部の漿液腫は認めたが,鼠径ヘルニアの再発なく経過.
考察:鼠径ヘルニア再発症例においては,初回手術の術式により腹膜前腔の剥離が困難であることが多い.メッシュの選択の範囲が拡がったことで,剥離困難な症例においても,ヘルニア門の確認後にIPOM法での閉鎖が可能であり,再々発の危険性を軽減する上で有用であると考えられた.
結語:再発鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下修復:IPOM法を施行した.
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