演題

RS2-106-18-4

メッシュ使用後の再発鼠径ヘルニアに対するAdditional prosthesis(AR)法

[演者] 緒方 健一:1
[著者] 小川 克大:1, 遊佐 俊彦:1, 武山 秀晶:1, 岡部 弘尚:1, 林 洋光:1, 尾崎 宣之:1, 赤星 慎一:1, 生田 義明:1, 髙森 啓史:1
1:済生会熊本病院 外科センター

【背景】鼠径ヘルニア診療ガイドライン2015では,鼠径ヘルニアに対する前方アプローチ後の再発には腹腔鏡下修復を推奨されているが,具体的な手技については明示されていない.特に,前方アプローチによるメッシュ使用後の再発に対するメッシュ除去の是非や修復法については各施設で試行錯誤されているのが現状である.当院において再発症例では基本的に腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP法)を用いて行っている.同法は,腹腔内からの観察により正確な再発形式の診断と確実な腹壁補強が可能で有用であると考えるが,初回手術の影響による組織の癒着や瘢痕化およびメッシュ使用による解剖学的構造の変位のためその手技が困難であることが多い.【対象と方法】2011年11月から2016年11月まで鼠径ヘルニアに対し38例のTAPP法を行っているが,そのうち再発症例は11例(29%)であった.この再発症例について,再発までの期間,前回手術法,手術所見および手術関連因子(再発形式,手術時間,出血量)について検討を行った.さらにビデオを供覧し,具体的な修復法を提示する.【結果】再発様式は片側8例,両側3例であった.再発例の初回術式は,ダイレクトクーゲルパッチ法4例,メッシュプラグ法5例,TAPP法2例,メッシュ使用せず1例(重複を含む)であった.手術時間は,再発例が平均188分で,初発例の155分に比して長い傾向にあった(p=0.083).出血量は再発例4.2g ,初発例4.4gで有意差を認めなかった.初回手術にメッシュを使用した10例では,既存のメッシュを利用したAdditional prosthesis法(AR法)ですべて修復可能であった.術後はいずれの症例も再発は認めていない.【まとめ】再発ヘルニアの手術術式として,(1)すべてのメッシュを除去するTotal replacement法,(2)AP法,(3)癒着防止機能を有するメッシュを用いたIPOM法,(4)腹腔鏡と前方アプローチの併用するハイブリッド法が報告されている.AR法は,腹腔鏡観察にてヘルニア再発様式を正確に診断し,組織の十分な剥離や適切なメッシュのトリミングを行って,腹膜被覆の工夫が必要である.前回使用したメッシュがダイレクトクーゲル,メッシュプラグおよびTAPP法の各々に対する修復のポイントについてビデオを交えて提示する.
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