演題

RS2-106-18-1

ラパヘルは標準術式となりえるのか-TEPを第一選択術式とした腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術

[演者] 清水 康仁:1
[著者] 小田 健司:1, 登内 昭彦:1, 前田 慎太郎:1, 安藤 克彦:1, 大塚 将之:2
1:千葉市立青葉病院 外科, 2:千葉大学附属病院 肝胆膵外科

【はじめに】当科では鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(ラパヘル)を標準術式としている.TAPPから導入したが,術中に循環動態に影響が少なく,腹膜閉鎖の不要なTEPをより低侵襲な術式と考え,最近はTEPを第一選択術式とし,TEPが不向きな症例に対してTAPPを施行するようにしている.今回我々の行っているTEPの手術手技の工夫および短期成績について報告する.

【麻酔法と手術手技】全身麻酔は抜管時の腹圧上昇によるメッシュのずれ防止のためラリンゲルマスクを使用する.TEPでも先に腹腔内よりヘルニア診断を行い,臍部から恥骨の間に縦に3本(12-5-5mm)のトロカールを挿入し手術を遂行する.TEPの場合でも必ずメッシュのおさまり具合を腹腔内から確認し手術を終了している.

【結果】2013年5月ラパヘルを導入から,2016年の12月まで,ラパヘル全症例(TEP+TAPP)を263症例293病変に施行した.そのうちTEPは118症例154病変に施行している.平均手術時間(分)は全症例で片側:96分(45-184),両側:121分(52-184),TEPのみでは,片側:79分(45-156),両側:104分(52-175)だった.出血量は少量.平均術後在院日数は3日.術後合併症は漿液腫8例(TEP4, TAPP4)であった.再発はいまのところ認めていない.

【まとめ】TEPはTAPPと比較して腹腔鏡下手術に特有の気腹の影響がほとんど無く,腹膜閉鎖も不要なため手術時間も短くなる.TEPは安全かつ低侵襲に施行可能な術式である.鼠径ヘルニアの治療法の第一選択術式になると考え手術方法の研鑽を行っている.
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