演題

RS2-105-18-4

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術での3D編みラージポアミディアムウェイトメッシュ(Versatex)の短期成績の検討

[演者] 北原 弘恵:1
[著者] 宮川 雄輔:2, 得丸 重夫:1, 吉村 昌記:1, 唐澤 幸彦:1, 織井 崇:1
1:昭和伊南総合病院 外科, 2:信州大学附属病院 消化器外科

【はじめに】近年,成人鼠径ヘルニア手術は術式や使用されるメッシュ素材の発達により,多様化している. 腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)では,鼠径部解剖の十分な理解,手術手技の安定,また適切なメッシュの選択が重要である.メッシュはmyopectineal orificeを3cm以上オーバーラップし均一に展開することが重要であり,ラージサイズメッシュの使用が望ましいと考えられる. 3D編みラージポアミディアムウェイトメッシュ(Versatex)は立体的な3D編みラージポアメッシュで,早期に良好な組織伸展得られ,収縮率が低いとされる.今回,Versatexと,ライトウェイトメッシュ(TiLENE)との検討を行い,安全性と有効性について手術短期成績を報告する.【方法】2014年4月から2016年11月までに当院にてTAPPを行った141例を対象とした.再発例,閉鎖孔ヘルニア合併症例を除き,Versatex群(V群)15例19側とTiLENE群(T群)73例95側を比較検討した.【手技】3ポート(臍部12mm左右側腹部5mm)で開始,腹腔内から患側および健側の鼠径部を観察する.内鼠径輪外側から内側臍ひだまで腹膜を切開する.剥離範囲は,内側は腹直筋正中を越えて1-2cm,前腹側は腹横筋腱膜弓(ヘルニア門)から3-4cm,外側は上前腸骨刺まで,背側はCooper靭帯より1-2cm背側まで及びparietalizationを3-4cm,充分に行う.メッシュは5-6箇所のタッキングでの固定を行い,腹膜縫合は3-0ポリゾーブで連続縫合する.【結果】V群では男性のみ15例,T群では男性66例,女性7例.平均年齢はV群67.3歳,T群63.9歳.平均手術時間はV群84.5±20.9分,T群87.2+20.2分であり,有意差はなかった.平均術後在院日数はV群1.5±0.7日,T群1.5±0.6日であり,有意差はなかった.手術侵襲に関する指標として術後1日目平均白血球数はV群7996±1517/μl,T群7864±1941/μl,平均CRP値はV群1.3±0.8mg/dl,T群1.1±0.6mg/dlで有意差はなかった.術後鎮痛剤投与回数はV群1.8±1.5回,T群1.4±1.2回, Numeric Rating Scaleによる術後当日疼痛評価ではV群3(0-8),T群3(0-10)であり,有意差はなかった.術後合併症はV群では3例(20%)(漿液腫3例のみ(20%)),T群では11例(14.8%)(漿液腫10例(13.5%),再発2例(2.7%))であり,有意差はなかった.【考察】Versatex群はTiLENE 群に比べ,術後短期成績は同等であった.今後はさらに症例を重ね,長期間にわたり再発・疼痛に関する検討を行う必要があると考える.
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