演題

RS2-104-18-6

当院における腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術(TAPP)の手術手技と成績について

[演者] 岩内 武彦:1
[著者] 平川 俊基本:1, 登 千穂子:1, 王 恩:1, 栗原 重明:1, 青松 直撥:1, 森本 純也:1, 中澤 一憲:1, 内間 恭武:1, 竹内 一浩:1
1:府中病院 外科

【はじめに】近年,腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術(TAPP法:transabdominal preperitoneal repair)が再評価されてきている.当院では当院では成人の鼡径ヘルニアに対して,前方アプローチによるメッシュ・プラグ法や,ダイレクトクーゲル法を行っていたが,2012年8月よりTAPP法を導入し,2016年11月までの間に鼡径ヘルニア235例に対し施行してきた.今回,当院におけるTAPPの手術手技,およびその成績について報告する.【手術手技】手術は3ポートで行っている.臍部にopen methodにて12mmポートを挿入し,気腹の後に臍右側,左側に5mmポートを留置する.LCSを用い,ヘルニア門外側から腹膜の切開を開始し,ヘルニア嚢にスリットを入れる形で腹膜を切開しておく.その後内側臍襞を内側へ牽引し,内側臍襞やや外側の腹膜を切開しておき,再度外側の腹膜切開部から腹膜前筋膜深葉を温存する層で腹膜を腹側,背側とも切開剥離し,内側の腹膜切開部とつなげることによりヘルニア嚢のencircleを行う.内側は腹膜前筋膜浅葉を温存する層で剥離し,剥離範囲は,内側は腹直筋外縁より3cm内側まで,前腹側はヘルニア門上縁から3cm腹側,外側は上前腸骨棘まで,背側はクーパー靭帯から2~3cmまでとし,myopectineal orficeを完全に被うことが肝要である.使用メッシュは症例に応じて3D Max Light L size,もしくはVersatexを留置後,タッカーにて固定,あるいはタッカーレスのパリテックスラッププログリップを腹膜前腔に屈曲することなく留置する.腹膜閉鎖はV-Locを使用し,連続縫合にて行う.導入当初からクリニカルパスを使用し,原則術後翌日退院とした.【結果】性別は男性が216例,女性が19例で,平均年齢は66.2歳(23-92歳)であった.罹患側は右側106例,左側97例,両側32例であった.平均手術時間は片側97.8分,両側154.5分であった.術中,小腸の漿膜への熱損傷を認めた1例以外は術後翌日退院した.周術期合併症は26例(11.1%)に認め,そのうち漿液腫が17例(7.2%)であった.2016年11月現在,再発,術後慢性疼痛は認めていない.【結語】現在のところ当院で施行したTAPPにおいて全例再発はなく,術後合併症も許容できる範囲内であった.今後の手術手技の向上,改善により,さらなる術後合併症の減少は可能であると考える.
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