演題

RS3-115-6-6

腹腔鏡下尾側膵切除における術中出血とその対策

[演者] 岡田 敏弘:1
[著者] 波多野 悦朗:1, 麻野 泰包:1, 宇山 直樹:1, 鈴村 和大:1, 中村 育夫:1, 近藤 祐一:1, 裵 正寛:1, 末岡 英明:1, 藤元 治朗:1
1:兵庫医科大学病院 肝・胆・膵外科

【目的】腹腔鏡下膵尾側切除術における脾静脈出血の実際とその対策法についてビデオで供覧する.
【対象】2006年~2016年12月までに施行した腹腔鏡下膵手術(n=35)のうち脾温存膵尾側切除(脾動静脈温存:LSVP(n=14),脾動静脈合併切除:LWT(n=4))と脾合併膵尾側切除:LDP(n=7)
【手術方法】<体位>膵腫瘍が膵尾側の脾門部に近ければ右半側臥位とし,膵腫瘍が体部にあれば仰臥位とした.臍直上ポートをカメラ用とし,上腹部正中(5mm)と左側腹部(12mm)を術者ワーキングポート,左上腹部(5mm)を助手用ポートとした.<血管処理>LSVPでは脾動静脈と膵実質の交通枝のみをLCSで切離.LWTでは中枢側脾動静脈と脾門部末梢側を授動・結紮後に切離.LDPでは中枢側の脾動静脈のみ授動・結紮後に切離.<膵切離>すべて10分の膵圧挫の後に自動縫合器による膵切離を施行した.
【成績】<術中出血>LSVP(n=14)の1例(右半側臥位)で膵炎波及の脾静脈損傷をきたし,術中LWTに術式変更した.LWT(n=4)1例(仰臥位)とLDP(n=7)1例(仰臥位)において脾門部周囲脾静脈の出血によりLWTはLDPに術式変更し,LDPは開腹手術に術式変更した.<術後膵液瘻>自動縫合器膵切離のGradeB膵液瘻発生率は20.8%.<再発>LDP施行したMCC1例とIPMC1例に腫瘍再発を認めた.<脾梗塞>LWTの2例に広範囲脾梗塞を認めた.
【結論】高度膵炎波及部位において脾静脈剝離を行う場合は炎症の波及していない中枢側ならびに末梢側での血管確保を担保しておくべきである.また,仰臥位での尾側膵切除において脾門近傍視野確保が困難になれば出血リスクが高くなるため,半側臥位での脾門先行処理やポート追加による十分な視野確保が必要となる.
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