演題

RS3-114-6-6

腹腔鏡下膵頭十二指腸切除の手技と結果

[演者] 武田 裕:1
[著者] 大村 仁昭:1, 桂 宜輝:1, 阪本 卓也:1, 村上 剛平:1, 内藤 敦:1, 賀川 義規:1, 竹野 淳:1, 加藤 健志:1, 田村 茂行:1
1:関西労災病院 外科

腹腔鏡下膵頭十二指腸切除は,脈管の合併切除及びリンパ節郭清切除を伴わないものに限り保険収載された.厳しい施設基準も設けられ容易に普及する状況では無いが,当施設の手技を供覧し,短期成績を検討した.
「方法」
2012年5月から2016年12月までに腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術16例(膵頭部癌5例,IPMN3例,乳頭部癌3例,胆管癌2例,PNET2例,SPN1例)(2015以前は自費診療,2016は保険適応)を施行した.
レビテーターを用いた開脚仰臥位でアクセスポートは臍部に12mm,左右肋骨弓下に5mm ,左右側腹部に12mm,5mm留置した.切除は完全腹腔鏡下に施行した.手技のポイントを以下に示す.十二指腸の授動に際してTreitz靱帯背側からの剥離のみではなくKocher maneuverを付加する.膵頭神経叢切離をエネルギーデバイスで切離する前にIPDAを確認しクリッピングする.膵の切離は可能な限り最終段階とする.膵の切離後は直ぐ膵管チューブを挿入する.胆管空腸吻合の縫合糸は4-0 PDS-II RB-1を約15cm強と15cm弱に切離後に結紮し両端針を作成する.結紮点外側にLAPRA-TYを付け縫合糸が縫合端に固定される様に工夫した.消化管再建は体腔外で,膵空腸吻合は小開腹創から直視下に施行した.
「成績」
他病同時手術の2例を除いた14例を現在の適応基準内6例と基準外8例に分け比較検討した.適応基準内,外は各々手術時間572.8,760.1分 (p=0.0162),出血量91.0,223.6g (p=0.3456),術後在院日数20.6 (11-65),44.2 (10-84)日 (p=0.0757)であった.膵頭部悪性腫瘍の3年無再発生存率42.9%.3年全生存率51.4%であった.
「結語」
適応基準内手術は手術時間,出血量,術後在院日数ともに良好であった.鉗子の動作制限や視野の方向性の制限がともなうが,それらを技術的に克服出来れば,メリットを生かした手術が可能である.今後の腹腔鏡下膵頭十二指腸切除の適応緩和に期待したい.
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