演題

RS3-114-6-3

リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下膵体尾部切除術の手技の工夫

[演者] 松川 啓義:1
[著者] 塩崎 滋弘:1, 佐藤 太祐:1, 井谷 史嗣:1, 小島 康知:1, 原野 雅生:1, 中野 敢友:1, 丁田 泰宏:1, 住谷 大輔:1, 岡島 正純:1
1:広島市立広島市民病院 外科

【緒言】腹腔鏡下膵体尾部切除術(LDP)おいてリンパ節郭清(LND)を伴う術式にも保険適応が拡大された.LNDが必要なIPMN,NETやMCN,術前組織学的未確診の膵癌疑診例に加えて,術前診断T1・T2膵体尾部癌,さらに腫瘍が脾動脈根部から離れ血管合併切除や多臓器合併切除を要しないT3膵尾部癌がその適応の対象となると考えられる.LNDを伴うLDPの手術手技の定型化とその工夫について供覧する.【方法】膵切離を先行し内側から外側に切除を進めるRAMPS (radical antegrade modular pancreatosplenectomy)に準じた膵切離の手順に加えて,No.7・8・9・14のLNDを腹腔鏡下に以下の手順で施行する.①胃の展開:まず胃結腸間膜,胃脾間膜を切離し,ネイサンソンリトラクターあるいは血管テープでの2点の吊り上げで胃を頭側に挙上・牽引・圧排して十分な視野を確保する.②膵尾部の授動:膵尾部下方で横行結腸間膜を切開しToldt's fusion fascia背側の腎前脂肪織の層に入り,後の内側からの後腹膜切離と繋げる指標とする.③膵頸部確保:膵頸部下方で横行結腸間膜前鞘を切開し膵頸部下縁を広く授動しSMV前面を露出させる.膵上縁と8a LN間を切開し,CHA・PHA・GDAを同定確認しCHAをtapingして確保する.右側の郭清は右胃動脈~PHA・門脈本幹の左縁までとし切離しておく.CHAを頭側に牽引し膵頸部頭側で門脈本幹前面を露出させ,膵頸部でのトンネリングを行いtapingする.④胃膵間膜郭清:併せて胃膵間膜右側で左胃静脈を切離し左胃動脈(LGA)を確保しtapingしLGAに沿ってCHA及び脾動脈(SPA)根部に向けて胃膵間膜を切開し8a郭清の切開線と繋げる.またLGA~CAに沿って横隔脚に向けても間膜を切開する.⑤膵頸部の離断とSPA・SPVの切離:SPAを根部で血流遮断した後に自動縫合器を用いて膵頸部で膵を離断する.SPVをSMVとの合流部で切離し,その後SPA根部で距離を確保し結紮とclippingでSPAを切離する.⑥リンパ節郭清:8 LNとSMA前面~左側のNo.14 LNおよびN0.7, 9 LNを一括に左側に向けて切除側につけるように郭清する.⑦膵体尾部背側の切離:先行して授動した膵尾部背側の後腹膜剥離層に向けて,左腎・副腎前面や左腎静脈前面が露出する層で,内側・右側から外側・左側に向けて後腹膜の切離を進め郭清リンパ節と一括に膵体尾部切除を終了する.【結語】LNDを伴うLDPは,手技の工夫と定型化で安全に施行可能と考えられる.
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