演題

RS3-114-6-1

腹腔鏡下脾温存尾側膵切除術での視野展開の工夫

[演者] 田島 弘:1
[著者] 隈元 雄介:1, 西澤 伸恭:1, 西山 亮:1, 河又 寛:1, 海津 貴史:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

【背景】良性・低悪性度腫瘍に対し腹腔鏡下尾側膵切除(LDP)は標準治療となってきており,脾動静脈温存を行うにあたり,定型化と安全性を確保するために視野展開は重要である.
【目的】我々はLDPを現在まで67例施行し,そのうち18例(26.9%)に腹腔鏡下脾温存尾側膵切除(LSPDP)を施行している.LDPの短期成績を報告する.これらの経験から動静脈温存を定型化するにあたり意識している視野展開を供覧する.
【手術手技】安全な手技を目的に術野展開は,止血時に対応できるようなるべく術者の両手が視野に使用されないように心がけ,5ポートと心窩部からリトラクターを使用し定型化している.頭側の視野展開に心窩部からの3mmのリトラクターを使用し,術野により簡便に適切な頭側の視野を確保している.また,脾動静脈の枝の引き抜きや損傷をなるべく起こさないようにエネルギーデバイスの軸に合わせて脾動静脈から膵実質の剥離が重要である.実際には横行結腸間膜を背側に牽引することやガーゼなどで膵を圧排し軸を合わせている.膵上縁からの動静脈確保を行うが,困難な場合も軸を意識し背側から動静脈を確保している.また膵の尾側の剥離では,背側の剥離を十分に行い腹側背側に膵を牽引しながら行うと比較的容易に剥離ができる.
【結果】LDP(n=67)の短期成績は,手術時間median(range)297.5(140-642)分,出血量median(range)は138(0-1700)mlであり,ISGPF GradeB以上の膵液瘻発生は5例(7.5%)と比較的良好な結果であった.
【結語】LSPDPでもLDPと同様,視野展開をスタッフで共有することで定型化につながり,安全な手技を行うために重要である.
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