演題

RS2-80-12-6

Blumgart変法による膵空腸吻合;当科での実践と成績

[演者] 河野 剛:1
[著者] 木村 康利:1, 今村 将史:1, 永山 稔:1, 山口 洋志:1, 水口 徹:1, 竹政 伊知朗:1
1:札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座

[目的]当科において施行している膵-空腸吻合術を,縫合方法,縫合糸,膵管チューブ等の基本手技についてビデオ供覧し,周術期成績を解析する.
[対象]2016年1月より11月のPD30例.男/女; 19/11例,年齢68歳(中央値, 46-81),疾患内訳は膵癌/IPMN/乳頭部癌/PNET/胆道; 18/6/2/2/2例.
[方法]挙上空腸脚との水平マットレス式膵実質-空腸漿膜筋層密着縫合は4-0ネスピレン®を用い,膵断端から8-10mmの実質に背面→腹側へ運針する.膵管を挟む約1cm幅に第1糸を掛け,第2糸,3糸をその足頭側へ掛ける.膵管に対応する空腸小孔との粘膜吻合では膵管・膵実質-空腸を頭側(12時),尾側(6時)に5-0 PDS II®両端針にstayを置き,後壁5針運針する.膵管前壁に3針掛け,後壁を結紮,膵管前壁側に運針,結紮する.マイクロ持針器・鑷子は確実な操作のために重要.3cm長の膵管ロストステント(4~6 Fr膵管チュ-ブ)を後壁結紮糸に固定(拡張膵管・硬化膵では省略)する.Blumgart糸針を空腸長軸に直交する漿膜筋層に運針する.密着縫合の結紮では膵断端と針穴のラッピングが確実となるよう,助手が空腸漿膜を牽引し術者が縫合する.7mmチャネルフラットタイプを吻合部腹側に留置する.術後管理はクリニカルパスと国際共同観察研究(ClinicalTrials.gov-NCT02322424)に準じ,ドレーン排液amyの経時的モニタリングと,6-PODのCTをルーチンとした.
[結果]
術者内訳は,肝胆膵高度技能専門医(1)/同指導医(1)/消化器外科専門医(2)/外科専門医(2)が,11/8/4/7例を執刀.術式はPPPD/SSPPD/PD; 14/15/1例,PVR/HAR; 9/3例,肝膵切除2例であった.手術時間524分(中央値,287-817),出血量203ml(80-2240),このうち演者(外科専門医,11年目)は5例を執刀した.術後合併症(CD≧3a)は7/30, 26.7%,PF(BC)は2/30, 6.7%,術後在院期間28日(中央値,14-56)であった.演者症例では手術時間453分(中央値,390-568),出血量220ml(中央値, 100-250)術後合併症(CD≧3a)は2/5, 40%,PF(BC)は1/5, 20% ,術後在院期間27日(中央値,19-44)であり,いずれの項目も有意差は認めなかった(P>0.05).
[まとめ]
Blumgart変法による教室の膵空腸吻合法は,術者年次に拘らず安定した術後成績であった.
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