演題

RS2-80-12-5

当科におけるHPDでの膵消化管吻合の変遷と工夫

[演者] 岡村 圭祐:1
[著者] 中村 透:1, 野路 武寛:1, 浅野 賢道:1, 中西 喜嗣:1, 田中 公貴:1, 土川 貴裕:1, 七戸 俊明:1, 平野 聡:1
1:北海道大学大学院 消化器外科学分野Ⅱ

【はじめに】胆管癌の唯一の根治療法は手術治療であり,癌の進展が広範囲に及んでいる場合,肝膵同時切除術(以下,HPD)が必要となる.しかし胆道癌手術で扱う膵臓の多くは,慢性炎症性変化をきたしていない,いわゆる"soft panc"であるため,POPFを生じやすく,膵消化管吻合において施設ごとに様々な工夫が試みられている.【目的】当科におけるHPD施行時の,膵消化管吻合の変遷と工夫をビデオで供覧し,その成績を検討する.【対象と方法】2001年から2016年までに肝葉切除以上の肝切除を伴う肝膵同時切除術48例.吻合法の変遷と術後出血の発生を比較した.【結果】消化管再建法はChild変法とした.各膵消化管吻合法の開始時期毎の①膵-消化管吻合臓器,②膵管ドレナージ法,③膵管消化管吻合法,④膵実質消化管密着法,と症例数を示す.I期[①膵-空腸吻合,②タバコ縫合糸を利用した膵管空腸密着法,③完全外瘻,④柿田式]38例,II期[①膵-空腸吻合,②膵管―空腸粘膜吻合,③不完全外瘻,④柿田式],III期[①膵-胃吻合,②陥入法,③ロストチューブ,④垂直マットレス縫合]2例,IV期[①膵-空腸吻合,②タバコ縫合糸を利用した膵管空腸密着法,③完全外瘻,④Blumgart変法]3例,V期[①膵-空腸吻合,②不完全外瘻,③膵管-空腸全層外縛り8針結節縫合,④Blumgart変法]:3例,その他2例であった.膵胃吻合は,胃後壁に切開を加え尾側膵を陥入し,非吸収性モノフィラメントを用い胃壁全層と膵を垂直マットレス法で吻合した.膵空腸吻合は,膵管空腸吻合に膵実質空腸密着を併施した.完全外瘻では,通常,膵管内に5Fr膵管チューブ挿入し膵管チューブと結紮固定した糸と,空腸を貫く膵管チューブ周囲のタバコ縫合糸を縫合し密着させた.V期では,膵管空腸に非吸収性モノフィラメント糸8針を外縛りとなるようにすべて運針後,結紮し,膵空腸の密着にはBlumgart変法を行った.術後出血は,I期2例,II期2例,IV期1例の計5例(10%)に認め,III, V期には生じなかった.【考察とまとめ】2013年より肝切除を伴わない膵頭十二指腸切除においてV期と同様の膵空腸吻合を行い,導入前後31例ずつの検討でPOPF grade Cが6.5%から0%に激減したのを機に HPDにも導入を開始した.今後も症例数を重ね本膵空腸吻合での成績を求めていく予定である.
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