演題

RS2-80-12-3

当院におけるBlumgart法導入後の取り組みと工夫

[演者] 内田 洋一朗:1
[著者] 寺嶋 宏明:1, 岡本 拓也:1, 三木 晶森:1, 大野 龍:1, 松原 弘侑:1, 後藤 徹:1, 山本 健人:1, 堀口 雅史:1, 上田 修吾:1
1:医学研究所北野病院 消化器センター消化器外科

【はじめに】高難度手術である膵頭十二指腸切除術(PD)において,術式の定型化は術後合併症を軽減すると報告されている.膵消化管吻合は,主に経験に基づく各施設での再建法が選択されておりgold standardは存在していない.当院では2009年4月から手術手技定型化を導入し,段階的修正を行い治療成績向上に努めている.
【手術手技】原則はSSPPDとし,再建はChild変法にBraun吻合を付加し,膵空腸吻合は,膵管膵実質-空腸全層吻合とBlumgart変法による膵腸密着法としている.門脈のトンネリング,ペンローズドレーンを通して膵頚部を拳上し,脳ベラをペンローズドレーン上に通す.エコーにて膵管の位置を確認しマーキングを行い,切離ラインの膵実質の頭側・尾側・腹側表層をLCSにて切離する.膵切離は,残膵側は非阻血下に,摘出側は小児用腸鉗子で把持して,膵管を含む膵実質中央部を円刃刀による鋭的切離を行う.膵実質断端からの出血は水滴下bipolarでpin-pointに止血し(原則縫合止血は行わない),断端のsealingを行う.膵断端の輪郭を小腸吻合部位にマーキングし,膵管口に一致させ小孔を作成する.膵管空腸吻合は6-PDS(TF-1)を用いて縫合(最低でも5針は可能),膵組織の挫滅・虚血を防ぐように結紮を行う(小腸壁から寄せ過剰な結紮を防止).膵管径5mm未満,膵性状soft,膵炎既往がある場合には膵管stentを留置する.4fr lost tube(3cm長)として内瘻化を行う(6-PDS結紮糸と固定した4-0vicryl rapideで固定).Blumgart変法は3-0prolene(TE)を用いて,原則膵管をまたぐ縫合を行う(最低2針は可能).その結紮時に確実なwrappingを行うために漿筋層を必要により追加で拾い,しっかり密着させて結紮する.
【まとめ】上記手技により2014年10月以降の連続39症例でGrade B以上の膵瘻を認めていない.当院での膵腸吻合手技をビデオにて供覧する.
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