演題

RS2-80-12-2

Blumgart変法における膵被膜損傷および膵切離断端空腸漿膜間の間隙閉鎖を意識した運針法

[演者] 中山 智英:1
[著者] 森田 高行:1, 桑谷 俊彦:1, 楢崎 肇:1, 福島 正之:1, 藤田 美芳:1
1:北海道消化器科病院 外科

膵頭十二指腸切除術における膵実質空腸漿膜筋層縫合の再建法は結節縫合や柿田式などがあるが,近年Blumgart変法の有用性が報告され,当院でも2013年よりBlumgart変法を行っている.Blumgart変法の利点は,前述の方法と比較し,膵実質と空腸漿膜筋層を縫合結紮する際に膵被膜を通過する結紮糸から刺入点に伝わる力が膵被膜に対し垂直にかかるため,膵被膜の損傷が少ない点が挙げられる.また,膵被膜の刺入点は空腸壁で完全に覆われるため,刺入点での被膜損傷からの膵液漏出が少ない点もメリットである.さらには,膵切離断端と空腸漿膜も面で密着され,間隙閉鎖の点からも有用である.我々が運針の際に注意しているポイントは,膵被膜損傷防止の点では,膵実質にかけた貫通糸の前後壁刺入点間の距離と過不足のない長さで空腸漿膜筋層へ運針し,結紮時に膵実質刺入点にかかる負荷が必ず垂直になるように意識している.また,膵切離断端と空腸間の間隙閉鎖については,主膵管をまたぐようにU sutureを一針かけた後,頭尾側の膵実質が少ない場合でも,必ず頭尾に一針ずつ計三針のU sutureかける事により,膵切離断端と空腸漿膜間の間隙が全く見えなくなるように密着させている.
grade B以上のPOPFの割合は,2013年以前の前後壁結節縫合185例では51例(28%)であったが,2013以降のBlumgart変法51例では7例(14%)であり,有意差をもって(p=0.04207)少なくなった.
我々が行っている,膵被膜損傷防止および膵切離断端空腸漿膜間の間隙閉鎖を意識した運針法をビデオで供覧し,成績についても報告する.

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