演題

RS2-80-12-1

細径膵管に対する膵空腸吻合手技と成績

[演者] 外山 博近:1
[著者] 浅利 貞毅:1, 後藤 直大:1, 寺井 祥雄:1, 椋棒 英世:1, 田中 基文:1, 木戸 正浩:1, 味木 徹夫:1, 福本 巧:1, 具 英成:1
1:神戸大学大学院 肝胆膵外科学

背景:膵頭十二指腸切除術(PD)における膵空腸吻合は,近年安全な手技が確立されつつあるが,細径膵管(径3mm以下)においては未だ膵液瘻(PF)など合併症が無視できない.当科では2015年5月まではKakita変法,2015年6月からBlumgart変法に変更して吻合手技を標準化してきた.
方法と目的:当科は,細径膵管に対する膵空腸吻合ではmicro surgery用の機器と6-0PDSを用いている.支持糸などを用いて吻合口の展開を工夫し,確実に12針膵管空腸縫合を行う.膵管ステントは不完全外瘻としている.当科の標準吻合手技(Blumgart変法)をビデオで供覧する.また,Kakita変法,Blumgart変法それぞれの短期成績を,後方視的に比較検討した.
手術手技: 1)膵貫通密着縫合による外列縫合:3-0PROLENE(弱彎)を用い,まず膵管の頭尾側をまたぐようにかける.通常はその頭側,尾側に1針ずつ追加し,合計3針かけておく.2)空腸吻合口の作成,吻合部展開の工夫:密着縫合の部位から空腸の吻合口の位置を決め,電気メスにてできるだけ小さく吻合口を作成する.膵管前壁中央,空腸吻合口前壁中央に支持糸をかけてブルドック鉗子で把持し,その重さで軽く牽引してそれぞれの吻合口を軽く外反させて術野を展開する.4)後壁の縫合・ステントの留置:後壁頭側から縫合を開始し,尾側端まで7針縫合する.結紮は頭尾側の両端を除く5針のみとする.両端の結紮をしないことにより運針のスペースが確保され,前壁の縫合がしやすくなる.5Fr膵管チューブを留置し,後壁中央の結紮糸で固定する.6)前壁の縫合:頭側から前壁の縫合を5針行い,すべての結紮して膵管空腸吻合を終了する.7)最後に密着縫合用の糸を空腸にかけ,膵空腸吻合を完了する.
短期成績:2014年4月から2015年5月までのKakita変法で再建した55例(K群),2015年6月から2016年8月までBlumgart変法で再建した63例(B群)の短期成績を比較した.K群とB群のうち,細径膵管(径3mm以下)はそれぞれ32/55例(58.1%),22/63(35%)であった.gradeB以上のPFは,拡張膵管ではK群で1例のみでB群では0,細径膵管ではK群15/32例(46.9%)とB群7/22例(31.8%)であった.gradeCはいずれも認めなかった.
まとめ:当科の標準手技を供覧した.Blumgart変法に変更後,細径膵管においてもgradeBのPFは減少傾向にあり,安全性が向上していると思われた.
詳細検索