演題

RS2-79-12-6

Soft pancreasに対する膵空腸吻合(Blumgart変法)の工夫

[演者] 林 賢:1
[著者] 山田 成寿:1, 本城 弘貴:1, 藤井 渉:1, 林 健太郎:1, 八木 勇磨:1, 藤本 剛士:1, 宮原 豪:1, 岡 直輝:1, 草薙 洋:1
1:亀田総合病院 消化器外科

【背景】
膵頭十二指腸切除において膵液瘻は最も重大な合併症であるが,特にSoft pancreasでは細心の注意を要する.一方で,切除が比較的容易なIPMN,乳頭部癌などは若手外科医が術者となる機会も多いが,これらの多くはSoft pancreasである.このような点からも,Soft pancreasに対し手技的に簡便で安全確実な再建法の確立が必要である.当科ではBlumgart変法を導入し治療成績の向上を認めたため,その手技を供覧し成績を報告する.
【方法】
対象は,2011年8月から2016年11月まで膵頭十二指腸切除を施行した116例の内,Soft pancreasと判断した77例.再建は2015年5月まではKakita変法(K群:n=46),2015年6月以降はBlumgart 変法(B群:n=31)で行い,両群の治療成績をretrospectiveに比較検討した.
-Blumgart変法-
➀膵離断時に主膵管を確保しcut downで4-6Fr膵管チューブを留置,完全外瘻となるように3-0Vicrylで結紮.
②U-suture(膵実質-空腸漿膜筋層密着吻合)は,3-0Prolene両端針で,片針を膵実質後壁から前壁へ貫通させ,対側片針を空腸漿膜筋層吻合の後壁部分に,垂直マットレスとなるように運針した後に,膵実質後壁から前壁へ貫通させておく.これを主膵管の頭側,尾側,主膵管を跨ぐ位置に計3か所行う.
③主膵管周囲膵実質-空腸全層吻合を4-0PDSで8針.結紮前に膵管チューブを通しておく.
④先にかけておいたU-sutureの針糸を空腸漿膜筋層吻合の前壁部分に短軸方向に運針.
⑤膵断端の前後壁を空腸壁で包み込むように密着させ結紮.
【成績】
年齢中央値は69(26-86)歳,M:F=51:26例.ドレーンAMY値(U/L)の推移は(K群:B群),1POD(5115:2182, P=0.064), 3POD(507:155, P=0.171)と有意差を認めないもののB群で低い傾向.ISGPF膵液瘻(GradeB,C)(%)は,K群:B群=43.5:19.4(P<0.05)で,B群が有意に良好.術者の卒後年数別では,卒後10年目未満:以上=19.0:20.0(P=0.362)で有意差を認めず.
【結論】
Soft pancreasに対するBlumgart変法は,手技的にも簡便で安全確実な再建法である.
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