演題

RS2-79-12-5

膵頭十二指腸切除後の再建におけるBlumgart変法+膵管チューブ持続陰圧管理の安全性・有効性の検証

[演者] 藤川 貴久:1
[著者] 吉本 裕紀:1, 河村 祐一郎:1, 西村 拓:1, 川本 浩史:1, 山本 常則:1, 江本 憲央:1, 阪本 裕亮:1, 徳久 晃弘:1, 田中 明:1
1:小倉記念病院 外科

【はじめに】膵頭十二指腸切除術(PD)は術後合併症を高率に伴う高難度・高侵襲手術であり,特に術後膵液瘻は致命的な合併症となり得る.膵液瘻発症低減を目指し当科で行っているPD後再建におけるBlumgart変法+膵管チューブ留置・持続陰圧管理法につき,安全性・有効性の検証を行った.
【方法】2006年-2016年に当科にて施行したPD施行症例100例を対象とした.当院ではPD術後の膵空腸吻合法として従来の膵実質前後二列縫合または柿田式密着吻合より変更し2014年5月よりBlumgart変法を採用,さらに同時期よりhard pancreas例ではlost stent留置,soft pancreas例では不完全外瘻化膵管チューブの低圧持続陰圧管理を行っている.本法施行群(BG-S群,n=29)の成績につき,従来法施行例を対象群(n=71)として比較を行った.
【結果】BG-S群及び対照群におけるsoft pancreas症例はそれぞれ21例(72%),50例(70%)といずれの群でも2/3以上の症例を占めた.Grade B/C膵液瘻の発症率は対照群21%(15/71)に対しBG-S群 10%(3/29)と低い傾向にあり,Grade Cは対照群3例に対しBG-S群では認めなかった.腹腔ドレーン留置期間はBG-S群が対照群より有意に短く(15日vs 25日, p=0.038),術後在院日数でもBG-S群のほうが有意に短縮していた(26日 vs 46日, p=0.007).特にBG-S群のsoft pancreas例で術後膵液瘻を認めなかった18症例では膵管チューブの術後2週間前後での抜去(中央値14日)が可能であった.
【結論】Blumgart変法+膵管チューブ持続陰圧管理法は安全に施行可能であり,膵液瘻の発生率減少,重症化の軽減及び早期ドレーン抜去に寄与する可能性が示唆された.
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