演題

RS2-79-12-4

膵頭十二指腸切除術における我々が工夫している膵消化管吻合法

[演者] 横山 正:1
[著者] 牧野 浩司:1, 平方 敦史:1, 上田 純志:1, 高田 英志:1, 菊池 友太:1, 的場 秀亮:1, 日下部 誠:1, 吉田 寛:1, 内田 英二:2
1:日本医科大学多摩永山病院 消化器外科・乳腺外科・一般外科, 2:日本医科大学付属病院 消化器外科

【初めに】膵頭十二指腸切除術における膵再建後の合併症としての膵液瘻は依然として重要な合併症であり,特にsoft pancreasに対する確実な吻合法が求められる.我々は,再建要点として以下をポイントとしている.(1)再建する膵のダメージが少ない.(2)膵実質と消化管を均等な力で愛護的に密着させる.(3)確実で安定した膵管消化管吻合法の確立.(4)膵管不完全外瘻設置による適切な膵液ドレナージ,をテーマに2006年から演者自身が中心となり改良を重ねてきた.
【膵切離】膵への熱処理や鈍的操作は禁忌と考え,メスで鋭的に切離.噴出性出血のみ針糸で止血.
【膵腸吻合の実際】前後2列の愛護的な結節縫合が均等な力による高い密着性と考えている.まず,膵管に対し支持糸として12時前壁に5-0モノフィラメント糸を一針掛け視野確保 (イ)次いで,膵管:3時→9時→6時→4.5時→7.5時の順に後壁のみ運針(徐々に膵管視野良好となり運針が容易),糸配列の混乱がないよう針付きのまま色違いのカラーモスキートペアンでそれぞれ把持 (ロ)膵実質空腸後壁吻合:膵→空腸の順に(両端のみ前後壁貫通密着)数針の4-0結節縫合→結紮せず放置 (ハ)先の膵管に掛けた針糸を空腸小孔後壁全層に配列順に順次運針 (ロ)→(イ+ハ)の順に愛護的結紮で後壁を密着 (二)膵管内にチューブ挿入固定 (ホ)前壁膵管:1.5時→10.5時→12時の順に空腸全層へ運針(計8針)し結紮 (へ)膵実質空腸前壁:後壁同様に数針4-0結節縫合で再建終了となる.
【膵管外瘻】後結腸性に挙上した空腸に膵吻合用小孔から挿入した膵管チューブを経腸的に引き出し 経肝経路か経腸経路の不完全外瘻としており,適宜低陰圧をかけ積極的にドレナージしている.
【成績】2006~12年(101例)Grade:B/Cの膵液瘻:7例(6.9%)であったが,現在の方法となった2013~16年の全84例(膵癌:26,胆道癌:34,IPMN:16,その他:8,年令:73.6(50-88),男/女:44/40,拡張/非拡張:38/46)ではGrade:B/C:4例(4.76%)とさらに減少した.非常に有用で安定した方法であると考えている.
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