演題

RS2-78-12-6

柿田法における貫通密着糸の最適化のための工夫

[演者] 隈元 雄介:1
[著者] 海津 貴史:1, 田島 弘:1, 河又 寛:1, 西山 亮:1, 柿田 章:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

われわれが行っている柿田法は,主膵管からの膵液はロストステントによる完全ドレナージを行い,膵断面に露出した末梢膵管からの膵液の染み出しは空腸漿膜密着による圧迫効果で最小化することを目的とした術式である.しかし,その圧迫圧が最適になるように運針・結紮することは,術者の経験に基づく感覚的な側面があり,圧を高めようと縛り込むと膵組織に損傷が発生し,逆に緩すぎると死腔が発生し膵液が膵断面に貯留してしまうため,吻合におけるQuality control(質の保証)が難しく,これが,柿田法の成績が施設間や術者間でバラついてしまう原因と考えている.そこで,われわれは現在,膵貫通密着糸の運針に関して,膵断端の厚みと取り幅を術中に計測し,それに見合った空腸漿膜筋層のとり幅を決めることで,運針の定型化を図り,また,結紮時の締め込みを安定化させるために,前壁マットレスを追加した柿田式膵空腸貫通密着吻合を行っている.これらの工夫により,貫通密着吻合術の感覚的な部分を可能な限り排除し,定型化することが可能となり,術者によらない安定した短期成績が出せるようになってきた.また,貫通糸を何本かけるかに関しても,これまで定型化されていない.術後膵液漏発生の要因として,膵臓の幅と貫通糸の本数の関連性に着目し,最適な貫通糸の本数に関しても,今回後方視的に検討を加えた.

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