演題

RS2-78-12-4

連続縫合による膵管空腸粘膜吻合の手技と工夫

[演者] 関戸 仁:1
[著者] 武田 和永:1, 松田 悟郎:1, 清水 哲也:1, 渡部 顕:1, 久保 博一:1, 坂本 里紗:1, 山本 悠史:1, 豊田 純哉:1
1:横浜医療センター 消化器外科

【背景】膵頭十二指腸切除(PD)後の膵管空腸粘膜吻合は通常結節縫合で行われることが多い.当科では2010年から連続縫合で行い,手術時間短縮,縫合糸節約などの効果があると考え,実践している.【手術手技】はじめに粘膜吻合を,端側,連続縫合で行う.縫合糸は6-0 PDS-IIを使用する.膵管12°方向に片端針で針糸をかけ,これを牽引し膵管口を視認しやすくする.次に6°方向に両端針2針で内外,内外にかけ,結紮する.この針糸を用いて6°から9°方向と6°から3°方向にそれぞれ連続縫合する.前壁の吻合の際には,12°に掛けた糸針を空腸側にかけて膵管口と空腸側を牽引し,吻合する内腔が視認しやすくなるよう工夫している.9°方向と3°方向から12°に向かって縫合する際は,膵管側から空腸側に外内内外に連続縫合し,常に縫合針が腹側から背側方向に向かい,縫合しやすいよう工夫している.12°方向の針糸を結紮し,さらに連続縫合してきた糸と結紮し,膵管空腸粘膜吻合を完成する.膵実質空腸漿膜筋層縫合は柿田式に4-0Proleneを用いて連続縫合する.【目的】連続縫合による膵管空腸粘膜吻合を評価する.【対象】過去12年間に施行したPD 139例を対象とした.【方法】吻合を縫合方法により,連続縫合(A群,n=87)と結節縫合(B群,n=52)に分けて比較検討した.【結果】A群の83例(95.4%)に連続縫合を完遂した.4例は一部または全部を結節縫合で行った.膵管径(mm)の経時変化を検討すると,A群: 術前3.70,術後6か月2.06,1年2.09,3年2.74,5年3.00,B群: 術前3.0,術後1年2.6だった.両群とも術前の膵管拡張は軽減された.経年的にわずかに拡張する傾向を認めた.糖尿病も両群で術直前にコントロール不良であった例も術後軽快していた.観察期間中に新たな糖尿病の発症は認めなかったが,糖尿病薬の増量を要する例があった.治療に難渋する下痢はいずれの群にも認めなかった.入院加療を要する膵炎は,A群1例(1.2%),B群3例(5.8%)で,いずれも軽症で,保存加療で軽快した.結語】PD後の膵消化管吻合は,連続縫合による吻合が有用である.手技をビデオで供覧したい.
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