演題

RS2-78-12-1

Blumgart-dumpling法(Blumgart変法 自治医大方式)による膵空腸吻合の工夫

[演者] 小泉 大:1
[著者] 笠原 尚哉:1, 三木 厚:1, 遠藤 和洋:1, 笹沼 英紀:1, 佐久間 康成:1, 堀江 久永:1, 細谷 好則:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学医学部 消化器外科学

【背景】(幽門輪温存)膵頭十二指腸切除術((pylorus preserving) pancreatoduodenectomy,(Pp)PD)において,術後膵液瘻はいまだに最も重大で致命的な合併症であり,ひとたび発生すると周術期管理に大きな影響を与える.われわれは2012年12月より膵消化管再建を全層一層縫合または,Blumgart原法に工夫を加えたBlumgart変法 自治医大方式(Blumgart-dumpling法,BD法)で膵空腸吻合を行っている.われわれの工夫は,膵断面の形に合わせて空腸の漿膜を切開する,主膵管をまたぐように水平マットレス縫合をかける,3針の水平マットレス縫合がオーバーラップする様に運針する,吻合の上下縁に縫合を追加し,より密着が強くなるようにする,そして膵管チューブを不完全外瘻で留置する点である.【目的】BD法の有用性を検証する.【方法】2012年12月~2016年10月に(Pp)PDを施行し,BD法で膵空腸吻合を行った84例を対象とし,術後膵液瘻について検討した.術後膵液瘻はドレーンアミラーゼ(D-AMY)を測定し,D-AMY上昇なし及びInternational Study Group of Pancreatic Fistula grade AをA群,grade BをB群,grade CをC群とした.POD1,3,5に測定したD-AMYを比較し,術後膵液瘻について検討した.【結果】術後膵液瘻は全体でgradeなし,A,B,C(40例,39例,4例,1例)であった.grade B/Cは 5例(6%)であった.grade Cの1例は,正常膵だが主膵管が拡張しておりno stentとしたが,膵再吻合が必要となった.この症例ののち正常膵では膵管チューブを外瘻とすることを基本とし,また,正常膵はBD法,硬化膵は全層一層縫合で行うこととした.新方針に変更後,BD法でgrade Bを2例経験したが,これらは術中判断で外瘻にしなかった症例であった.以後,BD法での外瘻チューブ留置を徹底し,現在の方針となった2015年9月以降連続25例でgradeなし14例,grade A11例で,同期間内の全層一層縫合法群もgradeなし7例,A 1例であり,臨床的に問題となるgrade B/Cを認めず,極めて良好な結果を得ている.【まとめ】われわれの開発したBD法は術後膵液瘻の減少に寄与する有用な吻合法で,適切な症例の選択と膵管チューブの外瘻の徹底により,大変安全な吻合法となっている.
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