演題

RS2-76-12-6

肝動脈浸潤陽性局所進行膵胆道癌に対する血行再建を伴う根治術

[演者] 今村 将史:1
[著者] 木村 康利:1, 永山 稔:1, 山口 洋志:1, 河野 剛:1, 水口 徹:1, 竹政 伊知朗:1
1:札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座

【背景】近年局所進行切除不能膵胆道癌に対して,集学的治療により奏功が得られた症例に切除術を行うConversion Surgery(CS)による長期生存例も報告され,強力な局所制御により高いR0切除率をもたらす可能性がでてきた.今後の遠隔治療成績次第ではあるが,肝動脈浸潤を伴う症例に対し,化学(放射線)療法後に肝動脈合併切除を伴う拡大切除術を行うといった集学的治療は,忍容可能な治療戦略になりえる可能性がある.
【目的】肝動脈浸潤陽性局所進行膵胆道癌に対する肝動脈合併切除を伴う根治術の手技をVideo供覧し,根治性と術後成績について報告する.
【肝動脈再建】方法1:切除後に挙上空腸間膜内の空腸動脈をinflow として使用し顕微鏡下に右肝動脈(RHA)を再建.方法2:切除に先行して右総腸骨動脈(rCIA)をinflowとする大伏在静脈グラフト(SVG)を用いて固有肝動脈(PHA)を再建.方法1と2に関してビデオ供覧する.
【結果】方法1については,局所進行胆嚢癌に対するSSPPD・胆嚢床切除・肝動脈門脈合切,UR-LA膵癌に対するSSPPD・腹腔・肝・脾動脈・門脈合切時に適応した.方法2については,BR-A膵癌に対するSSPPD・肝動脈・門脈合切,UR-LA膵癌に対するSSPPD・肝動脈・門脈合切時に適応した.
【術後成績】全例R0切除となった.方法1の2症例においては,多発性の肝梗塞・肝膿瘍を発症したため経皮的ドレナージを要し,術後長期入院の要因となった(術後99日目と91日目に退院).方法2の2症例においては,肝辺縁に部分的なperfusion不良域を認めるのみであり,肝膿瘍の発生はなく,術後27日目と37日目退院した.
【まとめ】肝動脈合併切除再建を伴う根治術では,R0達成と,動脈再建の工夫による臓器温存が重要である.切除に先行したCIA-SVG-HA再建は,術後肝合併症を軽減させる可能性が示唆された.
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