演題

RS2-76-12-3

IVC合併切除再建を伴う肝胆膵手術における手術手技と工夫

[演者] 貞森 裕:1
[著者] 日置 勝義:1, 門田 一晃:1, 本多 正幸:1, 吉本 匡志:1, 小畠 千晶:1, 浅海 信也:1, 大野 聡:1, 高倉 範尚:1
1:福山市民病院 外科

[目的] 今回,下大静脈(IVC)の合併切除再建を伴う肝胆膵手術症例を検討し,IVC合併切除・再建の実際・工夫および手術成績を報告する.[対象] 2014年7月~2016年9月の期間に,IVCの合併切除・再建を伴う肝胆膵手術症例は7例であり,原疾患・肝胆膵手術の術式・IVC再建方法および手術成績を検討した.[結果]1)原疾患:後腹膜腫瘍 3例・原発性肝癌 2例・転移性肝癌 1例・膵頭部癌 1例. 2)肝胆膵手術術式:肝切除 4例(肝左3区域切除 2例・肝右葉切除 2例)・膵頭十二指腸切除 2例・十二指腸部分切除 1例. 3)IVC再建方法:人工血管置換 1例・パッチ再建 2例・単純縫合閉鎖 4例. 4)手術成績:手術時間(中央値) 496分(207-838), 出血量(中央値) 735ml(260-3100). 5)Morbidity/Mortality: Clavien-Dindo IIIb以上の合併症はなく,7例中2例に腹腔内膿瘍(IIIa)および胆管炎(II)を認めた.90-day mortalityは認めなかった.[症例提示] 広範な十二指腸浸潤と下大静脈腫瘍栓を伴う後腹膜paragangliomaに対する人工血管置換を伴う膵頭十二指腸切除術の手術手技を供覧する. 50歳代・男性.消化管出血による高度貧血にて発症.膵鉤部~十二指腸背側に径7.3cmの腫瘤を認め,右精巣静脈~下大静脈内に腫瘍栓が進展していた.内視鏡検査では,十二指腸水平脚の膵臓側に長径3.5cmに亘って露出していた.主腫瘍と右精巣静脈内の腫瘍栓が一体となってIVCに広範に接しており,IVC合併切除・人工血管置換を伴う膵頭十二指腸切除術を予定した.腹部大動脈とも部分的に接しており,術中所見によっては腹部大動脈合併切除・人工血管置換を考慮した.[手術手技] 腫瘍が IMA根部周囲の腹部大動脈と固着していたため,腹部大動脈・IVCの合併切除・人工血管置換を伴う膵頭十二指腸切除術によってen blocにR0切除を施行し得た.術後30日目に自宅退院し,現在も無再発生存(術後22M)が得られている.[結語] IVC合併切除再建を伴う肝胆膵手術では,術前の綿密な手術計画とIVC合併切除・再建方法の的確な選択が手術成績向上に重要と思われる.
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