演題

RS2-75-12-3

高度静脈侵襲(Vv3)を伴った肝細胞癌に対する下大静脈合併切除の手術成績

[演者] 森 昭三:1
[著者] 青木 琢:1, 清水 崇行:1, 朴 景華:1, 松本 尊嗣:1, 櫻岡 佑樹:1, 白木 孝之:1, 小菅 崇之:1, 加藤 正人:1, 窪田 敬一:1
1:獨協医科大学医学部 第二外科学

【目的】下大静脈(IVC)腫瘍栓を伴う肝細胞癌(Vv3-HCC)に対する肝切除術は,腫瘍栓摘出のため心嚢内でのIVC遮断など追加手技が必要になり,難易度の高い手術の一つである.当科で経験したIVC腫瘍栓摘出を伴う肝切除術の手術ビデオを供覧する.
【方法】2000年4月から2016年9月までに当科でVv3-HCCに対して肝切除術を施行した7例を対象とし,手術成績及び予後について検討した.
【結果】年齢中央値68歳,Child-Pugh A/B: 5例/2例,2例に術前遠隔転移を認めた.腫瘍栓先進部はIVC内5例,右心房内2例で,肝切除術は右三区域1例,左葉1例,右葉1例,拡大後区域2例,外側区域1例,S7亜区域1例であった.全例開胸操作を加え,1例に胸骨正中切開も行った.腫瘍栓摘出は5例で全肝血行遮断(THVE)下に行い,腹腔側からの心嚢切開操作を4例,1例は人工心肺による体外循環下開心術を施行した.下大静脈再建は連続縫合閉鎖5例,心嚢膜パッチ再建2例であった.手術時間中央値494分,出血量中央値2642ml,術後在院日数中央値44日,術後合併症Clavien-Dindo分類II: 2例,IIIa: 4例で,1例は合併症を認めなかった.手術関連死はなかった.術前遠隔転移がなかった5例全てR0手術であった.全症例のMSTは9.8ヶ月で,R0群5例の内4例で再発を認め,再発までの期間中央値は4.7ヶ月であった.再発部位は残肝+肺:3例,残肝:1例で,治療は2例にTACEとソラフェニブ,1例に再々肝切除術,1例に全身化学療法を施行した.
【結語】Vv3-HCC症例において突然死のリスクを回避し,R0手術を目指した肝切除術は周到な準備のもとで安全に施行可能である.
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