演題

RS2-75-12-1

肝動脈浸潤を伴う局所進行膵癌に対する化学放射線療法後の肝動脈合併膵切除術

[演者] 天野 良亮:1
[著者] 木村 健二郎:1, 山添 定明:1, 大平 豪:1, 西尾 康平:1, 豊川 貴弘:1, 田中 浩明:1, 六車 一哉:1, 前田 清:1, 大平 雅一:1
1:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

【背景・目的】
主要動脈接触/浸潤を伴う局所進行膵癌は膵癌取扱い規約(第7版)ではBR-AもしくはUR-LAに細分され,これらに対する手術療法は高率にR1/2となり予後に寄与しない.我々は主要動脈,特に肝動脈浸潤を伴う局所進行膵癌に対して化学放射線療法(CRT)を含めた術前治療を行い,R0を目指した肝動脈合併切除を伴う集学的外科治療を試みている.今回はその手術手技を提示し周術期治療成績を報告する.
【対象】画像上遠隔転移がなく肝門部までの広範囲の肝動脈浸潤を認めず,上腸間膜動脈への180度以上の接触もしくは第2空腸動脈起始部までの広範囲浸潤を認めない局所進行膵癌を術前治療の適応とした.【方法】術前治療は,放射線治療を50Gy(2Gy×25回)行い,化学療法はGS療法(GEM:600mg/㎡・隔週3回投与+S-1:60mg/㎡・4週投与)を行った.CRT後さらの2クールのGS療法を行い,初回治療より約20週後に手術を行った.術前7~10日前に血流改変を行い,術前2~3日前に再度血管造影にて改変後の血流動態を確認している.術式の選択は総肝動脈(CHA)浸潤のみは総肝動脈合併膵頭十二指腸切除術(PD-CHAR),CHA+腹腔動脈(CA)浸潤症例は腹腔動脈合併膵全摘術(TP-CAR)もしくは腹腔動脈合併膵頭十二指腸切除術(PD-CAR)を行った.肝動脈再建は左胃動脈(LGA)もしくは空腸動脈(JA)を用いて形成外科医により行われた.【結果】2012年10月から2016年8月までに15例の肝動脈浸潤膵癌に対して手術を施行した.男性14例・女性1例,平均年齢64.2歳,膵癌取扱い規約(第7版)ではBR-A:3例,UR-LA:12例であった.術式はPD-CHAR:6例,TP-CAR:5例,PD-CAR:4例であり,平均手術時間610分(411-862分),平均出血量は1194g(450-2350g)であった.術前血流改変にて5例が肝動脈非再建であり,肝動脈再建10例の使用血管はLGA:4例,JA:5例,CA:1例であった.術後合併症はCD分類I:1例,II:1例,IIIa:4例,IV:1例,V:1例であり術後在院日数中央値は33日(16-152日)であった.病理診断ではEvans分類I:1例,IIa:4例,IIb:2例,III:7例であり,R0切除達成率は93.3%(14/15例)であった.【結語】肝動脈浸潤局所進行膵癌に対する化学放射線療法は強い局所制御効果が期待でき,肝動脈合併膵切除を行うことで高率なR0切除が得られる可能性がある.
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