演題

RS1-12-7-6

横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術の工夫 (内側アプローチによるD3郭清)

[演者] 山本 稔:1
[著者] 北上 英彦:1, 近藤 靖浩:1, 原田 真之資:1, 野々山 敬介:1, 藤幡 士朗:1, 宮井 博隆:1, 高嶋 伸宏:1, 清水 保延:1, 田中 守嗣:1
1:刈谷豊田総合病院 消化器・一般外科

【はじめに】
横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術は高難易度とされる,これは十二指腸や膵などの重要臓器が近接していることや血管系(特に静脈系)の変異などその解剖学的特徴に起因すると考えられる.一方,RCTなど結果にて腹腔鏡の短期,長期成績が開腹と遜色がないことも判明しつつあり,術式の標準化,定型化が望まれる.内側アプローチによるD3リンパ節郭清は定型化の一法であるが,中結腸動脈へのApproach,静脈系の処理についてさまざまな工夫がおこなわれている.今回われわれは,中結腸動脈の根部に安全に到達することを目的に内側アプローチの最初の段階である腹膜の切開に注目し定型化を進めてきた.中結腸動脈根部へのアプローチ法についてVideoにて供覧する.
【対象】2013年4月より2016年11月30日までにD3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下横行結腸切除術を施行した16例
【手技】①術前に3D-CTAにて動脈相および門脈相にて血管系の事前評価を行う
②体位は開脚位③Port配置は5孔式
④助手による横行結腸間膜の展開にて腫瘍の位置の確認し,10cmに切った絹糸をもちいて郭清範囲をマーキングを行う
⑤横行結腸間膜の切り出しは回結腸動静脈の根部のやや頭側から開始しSMVを露出しておき,左右の無血管野(マーキング部位)にむけて切開を進める
⑥間膜の左右側の切開では結腸間膜前葉も切開し,右側ではMorison窩,左側は網嚢腔を解放しておく
⑦その後 SMAの走行,SMVの走行を確認し,中結腸動脈の根部へApproachと静脈系の処理をおこなう.
静脈係は内側からだけでなく大網を切開し網嚢を解放し,頭側からRGEVとGCTの位置関係を確認してから処理をおこなう.
内側アプローチでの工夫としては⑥にて前葉を切開を先行しておくことにて処理すべき結腸間膜を左右からはさみこめるため重要臓器の損傷の回避やDisorientationを回避することである.また,副中結腸動脈を認める症例についても郭清範囲か否かを判断できるメリットを有する.
注意点として静脈系については,変異も多く,術前の3D-CTAでの分枝の描出に限界がある.そのため,切離に先立ち,結腸間膜の尾側のみでなく,頭側からも確認することが重要である.
【結果】男女比12:4例,年齢平均66.6±11.4歳,手術時間平均223.5±51.2分,出血量38.3±45g,術後在院日数中央値7±2.1日,合併症はClavien-Dindo分類GradeⅢ以上1例(吻合部狭窄)であった
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