演題

RS1-12-7-1

横行結腸癌に対する安全な腹腔鏡下Complete Mesocolic Excisionの工夫

[演者] 鯉沼 広治:1
[著者] 堀江 久永:1, 直井 大志:1, 井上 賢之:1, 田原 真紀子:1, 森本 光昭:1, 佐久間 康成:1, 細谷 好則:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学医学部 消化器外科学

【はじめに】
当科では腹腔鏡下横行結腸癌手術において,これまでの中結腸動脈根部の郭清という概念から,確実なComplete mesocolic excision(CME)へ意識転換をした.横行結腸は支配血管にバリエーションが多く,また根部郭清を意識しすぎると膵臓損傷の危険性が高まることから,全員が安全に行うことが困難となっていたからである.
【安全な手術に向けての工夫】
血管バリエーションに対しては,全例に3D-CTの血管画像構築による術前シミュレーションを行っている.また実際の結腸間膜は広げると1面でありCME境界の見極めが難しいことがある.このため横行結腸間膜付着部にほぼ一致する膵鈎部とTreitz靭帯を結ぶ線をCME境界とし,境界線上で支配血管中枢を切離している.
また,副右結腸静脈からHenle胃結腸静脈幹への流入部は,単方向視野の場合胃大網静脈や前上膵十二指腸静脈との区別が困難なことが多い.また中結腸動静脈根部周囲は神経繊維が豊富で境界が認識しにくいうえに背側が膵臓という位置関係にある.そのためこの2ヶ所へのアプローチでは,尾側頭側左右という順で4方向から行っている.これらを3Dカメラ,モニタ,メガネ下に行うことで,以前より飛躍的に安全性が高まったと感じている.
【結果】
54例を経験した.術中副損傷,開腹移行なし,術後合併症は吻合部狭窄2例,吻合部周囲脂肪織炎2例(いずれも保存的),肺炎肺水腫各1例,在院期間9日(7-21),再入院なし.手技ビデオを供覧する.
【結論】
毎回少しずつ改良を重ねながら安全性の高い手術を目指している.工夫点は血管画像による術前シミュレーション,CME境界の設定と4方向腸間膜アプローチによる確実なCME,3D手術である.
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