演題

SY06-8

膵頭十二指腸切除術後の膵液漏予測――ドレーンアミラーゼ値とFistula Risk Scoreを併用した検討――

[演者] 室屋 大輔:1
[著者] 奥田 康司:1, 小嶋 聡生:1, 新井 相一郎:1, 酒井 久宗:1, 川原 隆一:1, 石川 博人:1, 久下 亨:1, 赤木 由人:1
1:久留米大学病院 消化器病センター

【背景】膵頭十二指腸切除術後の膵液漏に関して,術後ドレーンアミラーゼ値が膵液漏予測に有用とされている.また,MarkらはFistula Risk Score(FRS)を膵液瘻のリスク評価として用いている.今回我々はドレーンアミラーゼ値(POD1,POD3)およびFRSを用いて,膵液瘻予測について検討した.
【対象と方法】
2009年から2014年において当院で PD施行した158例.このうち術後ドレーンアミラーゼ値を測定し,FRSのスコアリングが可能だった148例が対象.International Study Group of Pancreatic Fistula (ISGPF)の定めたGrade B以上の膵液瘻をClinically relevant postoperative pancreatic fistulas (CR-POPF)とした.ドレーンアミラーゼ値はPOD1:5000UI/LおよびPOD3:3000UI/Lを基準として,いずれも下回ったA群(111例),いずれかが上回ったB群(26例),いずれも上回ったC群(11例)に分け,FRSはMarkらのスコアを用い,small duct,soft pancreas,high-risk pathology,excessive blood lossを因子として10点満点とし, 7-10点をhigh risk(H群:47例)とし,3-6点をintermediate risk(I群:84例),1-2点をlow risk(L群:17例)として検討した.さらに両者を組み合わせた統合カテゴリーを設定してCR-POPFの発生率を分析した.
【結果】
全体のCR-POPF発生は55例(37%).CR-POPF発生率とドレーンアミラーゼ値およびFRSは有意に相関し,A群:31%,B群:42%,C群:91%(P<0.01)とH群:68%, I群:25%, L群:12%であった(P<0.01).さらに統合カテゴリーで解析すると,A-H(27例), A-I(68例), A-L(16例):70,19,13%,B-H(13例),B-I(12例),B-L(1例):46,42,0%,C-H(7例),C-I(4例),C-L(0例):100,75%となり,A-I, A-L, B-Lの85例でCR-POPF発生が20%未満の低率であった.
【結論】
術後ドレーンアミラーゼ値とFRSを併用することで,より精度の高い膵液漏の予測が可能と思われ,ドレーン早期抜去の信頼できる基準となり得ると考える.
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