演題

RS1-11-7-4

腹腔鏡下横行結腸切除術を安全に行うための定型化の工夫

[演者] 細谷 智:1
[著者] 山本 公一:1, 羽廣 健仁:1, 押田 小百合:1, 吉田 宗紀:1, 渡邊 昌彦:2
1:JCHO 相模野病院 外科, 2:北里大学医学部 外科

横行結腸癌の腹腔鏡手術は,横行結腸間膜の剥離授動,それに続く中結腸動静脈周囲の郭清,肝弯曲や脾弯曲の授動など,それぞれの場面において郭清部位に膵臓や十二指腸など重要臓器が隣接するため術中損傷などのリスク,中結腸動静脈の血管分岐のバリエーションや,腫瘍の部位による術式の多様性などの観点から術式が定型化されにくく,他の部位の手術より難易度が高い.また平成25年度消化器がん検診全国集計によると横行結腸癌は9.9%であり少ない症例数も手術難易度を上げる要因である.
当院では腹腔鏡下横行結腸切除術を安全に行うための工夫として,術前に3D-CTを行い中結腸動静脈周辺の血管のバリエーションを確認している.続いて手術の手順を示す.手術は5ポートで行い,まず横行結腸を腹側に上げ,横行結腸間膜の癒着を剥離し内側アプローチを開始する.横行結腸間膜を腹側に拳上しマタドールポジションをとると後腹膜に十二指腸第2部を透見でき,横行結腸間膜付着部より剥離を開始し,右側は十二指腸第2部上縁,膵頭部をランドマークとし,左側はトライツ靭帯の内側縁から剥離を行う.横行結腸間膜を左右から十分剥離すると,残った索状の中に中結腸動静脈が存在する.十二指腸水平脚と膵下縁をランドマークとして充分剥離することで,副損傷を防ぐことができる.中結腸動静脈の索状を立てるようにし,左右から血管を挟み撃ちにするようにして,まず上腸間膜動脈を確認し,そこから分岐する中結腸動脈を同定する.最終的には網嚢側からも中結腸動静脈を確認し処理する.手術中も3D-CTの画像を確認し,マッピングとして活用している.その後肝弯曲または脾弯曲の授動を行い,吻合は体外で行っている.ビデオを供覧し腹腔鏡下横行結腸切除術を安全に行うための注意点,ランドマークについて解説する.また我々が経験した術後内ヘルニアを発症した症例を提示し合併症についても検討する.
腹腔鏡下横行結腸切除術を安全に行うために,術前に3D-CTを行い血管の走行を確認した上で,術中はランドマークを決めて,横行結腸間膜を左右から充分剥離し中結腸動静脈を挟み撃ちにするように処理することで,定型化を目指している.
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