演題

RS1-11-7-3

当院での腹腔鏡下横行結腸切除術のアプローチ

[演者] 田辺 嘉高:1
[著者] 水内 祐介:1, 佐田 政史:1, 石川 奈美:1, 末原 伸泰:1, 斎村 道代:1, 西原 一善:1, 岩下 俊光:1, 中野 徹:1
1:北九州市立医療センター 消化器外科

大腸癌に対する腹腔鏡による手術手技が定型化され,当院でも年間約200例の大腸手術症例中,約90%の症例が鏡視下に行われている.横行結腸癌は症例数が少なく,中結腸動静脈の血管走行にヴァリエーションが多いことから,これまで定型化に難渋してきた.最近は3D-CTによる血管構築の合成像から支配血管の同定と術前から郭清血管の決定が容易となり,横行結腸癌に対する腹腔鏡手術も定型化が可能となった.肝弯曲部近傍の横行結腸癌では回結腸動静脈と中結腸動脈根部までの間SMV左縁に沿って郭清し,中結腸動脈右枝を切離し左枝を温存した右半結腸切除術を適応とし,脾弯曲部近傍の横行結腸癌では下腸間膜動脈根部から左結腸動脈が分岐する部位で切離し,中結腸動脈根部を郭清し,中結腸動脈左枝を切離し右枝を温存する左半結腸切除術を行っている.横行結腸中央部に病変がある場合,術者は右半結腸切除時と同じように患者左側に立ち,第一助手は患者右側,患者脚間から内視鏡を挿入し患者左頭側に据えたモニターを見て手術を行っている.網嚢を切開,開放し肝弯曲部を授動するときに副右結腸静脈処理を予め行い,十二指腸3rd portionが背側に剥離・確認出来るまで上行結腸から盲腸まで可及的に授動し,SMV腹側で中結腸静脈を根部で処理を行っている.次に術者は患者右側に移動し,網嚢を脾弯曲側に向け切開を行い,膵下縁で横行結腸間膜前葉を切離し脾弯曲部の授動を下行結腸のSD junctionまで授動し吻合部に緊張が加わらないようにしている.SMV郭清部から膵下縁にガーゼを置き,横行結腸間膜足側より先に授動した十二指腸3rd portionを目安に回結腸動静脈根部近傍からSMV前面を頭側に郭清行いSMV左縁を走行する中結腸動脈を根部で処理しD3郭清を行っている.SMV頭側のガーゼを目安に膵下縁の横行結腸間膜を脾弯曲部向けて切開し副左結腸動脈を認めた場合,膵下縁で切離している.肥満症例では横行結腸間膜の厚みに難渋する場合もあるが,右半結腸切除術の手技の延長線上で行えることから比較的定型化されてきていると考える.
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