演題

RS1-10-7-6

腹腔鏡下横行結腸癌手術の手技と工夫

[演者] 賀川 弘康:1
[著者] 絹笠 祐介:1, 塩見 明生:1, 山口 智弘:1, 山川 雄士:1, 杉浦 禎一:3, 坂東 悦郎:2, 寺島 雅典:2, 上坂 克彦:3
1:静岡県立静岡がんセンター 大腸外科, 2:静岡県立静岡がんセンター 胃外科, 3:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

【はじめに】横行結腸癌に対する腹腔鏡手術は,血管の走行の多様性や腫瘍占居部位により授動・切除範囲が異なり,腹腔鏡下大腸切除術の中でも難易度が高い.当院では内側アプローチ先行による手技を基本とし定型化しており,①結腸右半切除(RHC),②横行結腸切除(TC),③結腸左半切除(LHC)について手技と工夫について供覧する.
【手術手技】術前CT にて腫瘍の血管支配を確認する.①RHC 回結腸動静脈(ICA/V)の尾側で内側アプローチを開始,D3郭清の左縁はSMV左縁とし中枢側方向へ郭清する.横行結腸間膜を助手鉗子で広げMCA本幹あるいはMCA右枝した後にMCVおよび,GCTから分岐する結腸静脈の処理を行う.先に動脈系を処理することでGCTの処理の視野を確保し安全に血管処理行うことができる.②TC ICA/Vの頭側で内側アプローチを開始,SMVを露出,SMAの神経叢を露出しながら223の郭清を行う.右側は膵頭部,十二指腸から横行結腸間膜を授動,左側はTreitz靱帯より頭側へ結腸間膜を切離する.横行結腸間膜の授動を左右からはさみうちした後にMCA/MCVの処理を行う.安全な切離吻合のために肝弯曲,脾彎曲授動を行い十分な授動を行う.③LHC IMV 背側で内側アプローチを開始,膵下縁を認識し結腸間膜と膵を授動した後さらに腹膜を切離し網嚢内に到達することで結腸間膜を授動.IMA-LCA 領域のリンパ節郭清後,左側結腸を外側からS 状結腸~脾弯曲手前まで授動.最後に大網を切離し網嚢開放,先に膵下縁で切離した結腸間膜を脾下極へ切離,切離ラインのメルクマールを明確にした脾弯曲授動を行う.腫瘍の支配血管がMCA領域にもおよぶ場合にはMCA左枝領域の郭清も追加する.②TC③LHCでは内ヘルニアを生じる可能性があるため間膜閉鎖を行う.
【結果】2002-2016 年に横行結腸癌に対する腹腔鏡下結腸切除術を318例に施行.年齢69.5歳,男性/女性:186/132例,BMI23.0(15.9-43.7).pStage 0/I/II/III/IV:16/108/92/86/16例.D1/D2/D3:24/153/141例.手術時間200 分,出血量20mL,開腹移行13例(4.1%),術後在院日数7 日.術後合併症:Clavian-Dindo Grade ≧ I:41例(12.8%),Clavian-Dindo Grade ≧ III:3例(0.9%).
【結語】横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術の安全性に対する工夫と定型化について,手技の要点をビデオで供覧する.
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