演題

RS1-10-7-5

横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術の要点と術式選択の検討

[演者] 福岡 宏倫:1
[著者] 福長 洋介:1, 鈴木 紳祐:1, 村橋 賢:1, 長嵜 寿矢:1, 秋吉 高志:1, 小西 毅:1, 藤本 佳也:1, 長山 聡:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【はじめに】わが国では進行結腸癌に対してはD3郭清が標準であり,世界的にも全結腸間膜切除(CME; complete mesocolic excision)と中枢側高位結紮(CVL; central vascular ligation)の概念に基づいた手術が提唱され始めている.われわれは,横行結腸癌に対してCVLの概念に基づいて腹腔鏡下の術式選択をしており,その手術成績を検討するとともに,横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術において必須操作となる肝彎曲授動・脾彎曲授動・中結腸動脈周囲の剥離をビデオで供覧する.
【対象・方法】2004年8月から2015年12月までの初発横行結腸癌手術461例のうち,除外対象を除く150例を対象とした.除外対象は,再発・開腹歴・他臓器浸潤・遠隔転移・結腸全的術・良性とした.術式は,結腸右半切除術(RHC)75例,横行結腸切除術(T切)51例,結腸左半切除術(LHC)24例で,局在は術前・術中所見から右側66例・中央42例・左側42例に分類した.局在別に術式・血管処理・リンパ節転移状況を検討した.
【結果】開腹移行症例はなく,各術式間で手術時間,出血,周術期合併症に有意差はなかったが,T切で各部位において手術時間が短い傾向にあった.局在が中央の症例において,RHCがT切と比較してリンパ節郭清個数が有意に多かった(p<0.001).リンパ節転移の状況は,局在が右側のRHC症例に回結腸動脈周囲の転移を認め,左側のLHC症例に左結腸動脈周囲の転移を認めたが,中央の症例はいずれの術式においても中結腸動脈周囲の転移のみであった.再発形式は,肝転移3例,傍大動脈リンパ節3例,肺転移1例,腹膜播種1例であった.全生存率・無再発生存率は各術式間に有意差はなかった.
【考察】メルクマールをもとに剥離を行うことで横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術は安全に施行できる.また,横行結腸癌に対して,CVLの概念から術式を選択することは,低侵襲でかつ十分な腫瘍学的効果が得られる可能性がある.
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