演題

RS1-8-7-6

左側横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術の定型化と郭清範囲の検討

[演者] 石部 敦士:1
[著者] 大田 貢由:2, 諏訪 雄亮:1, 中川 和也:2, 諏訪 宏和:2, 樅山 将士:1, 渡邉 純:3, 渡辺 一輝:4, 秋山 浩利:1, 遠藤 格:1
1:横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学, 2:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 3:横須賀共済病院 外科, 4:NTT東日本関東病院 外科

【背景】結腸癌手術には全結腸間膜(CME)と中枢側高位結紮(CVL)が重要であるが,左側横行結腸は上・下腸管膜血管から支配されていること,横行結腸間膜・左結腸間膜の剥離層が異なることなどから腹腔鏡下手術の難易度が高いとされ,郭清範囲の決定や手術手技が煩雑である.
【目的】左側横行結腸癌手術症例のリンパ節転移部位から至適郭清範囲を検討する.
【方法】2001年から2015年,原発巣切除した左側横行結腸癌72例(多発癌,Stage0除く)のリンパ節転移頻度を後方視的に検討した.
【手術手技】まず網嚢腔を開放し,膵下縁で横行結腸間膜前葉を切離しておく.IMV右側から内側アプローチを開始し,腎前筋膜前面を剥離する.LCA,IMVはIMA根部レベルで切離し,#253を郭清する必要はない.十二指腸空腸曲腹側で網嚢へ入る.副中結腸動脈が存在する場合は,IMVと同様に膵下縁で切離し,横行結腸間膜と下行結腸間膜を1枚のシートとして切除する.IMVに沿ったリンパ節もあるため注意が必要である.MCA領域の郭清は,十二指腸水平脚と空腸曲の間でMCAを挟み込むように行い,#223リンパ節を郭清しながら末梢へ追い,左枝を切離すことにより左側横行結腸のCMEが可能となる.
【結果】開腹手術40例,腹腔鏡下手術32例.中結腸動脈根部切離は38例(53%),左結腸動脈根部切離は21例(29%),#253郭清は9例(12.5%)に施行されていた.リンパ節転移頻度は#221:28.1%,#222:9.4%,#223:5.3%,#231:4.2%,#232と#253には転移を認めなかった.1例で膵下縁IMV周囲にリンパ節転を認めた.5y-RFS(%)はStageI/II/IIIで100/80/71.1%であった.再発部位は肝転移3例,腹膜播種3例,肺転移2例でありリンパ節再発は認めなかった.
【結語】左側横行結腸癌ではIMA根部周囲の郭清は省略可能であると考えられた.IMV根部付近の転移にも注意が必要であり,切除範囲の確実なCMEが必要と考えられる.
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