演題

RS1-8-7-5

横行結腸脾彎曲部癌に対する腹腔鏡下での安全なリンパ節郭清の標準化に向けた手術手技

[演者] 野澤 慶次郎:1
[著者] 八木 貴博:1, 塚本 充雄:1, 赤羽根 拓弥:1, 島田 竜:1, 端山 軍:1, 岡本 耕一:1, 土屋 剛史:1, 松田 圭二:1, 橋口 陽二郎:1
1:帝京大学附属病院 外科

【目的】脾彎曲部癌は難易度が高く,標準化しにくい.当科においても手技の時代的変遷はあるが,近年3D-CTにおける術前の血管構築にて腫瘍の位置とIMA/V,MVA/V,SMA/V,GCTの動静脈の走行を確認しておくことで,確実なD3郭清を伴う現在の手技をビデオにて供覧し検討する.
【対象】2013年から2015年までに当科で腹腔鏡下にて手術施行した左側横行結腸癌31例.
【手技】中結腸動脈周囲,特に横行結腸の脈管は解剖学的なバリエーションが多いため,手技は, 開脚頭低位右下体位にて,まず左側結腸間膜の処理を内側アプローチにて開始.型の如くIMA根部を確認し,左側結腸間膜を後腹膜より剥離. 左尿管,生殖腺動静脈を確認し,頭側は左腎前筋膜が確認できるまで,足側は総腸骨動脈が確認できるまで可及的に剥離.IMVおよびLCAの走行を確認し,IMAの頭側で大動脈とIMVの間を剥離し, IMVを充分に遊離. このとき十二指腸ヒダを切離し,トライツ靱帯を必要に応じて解放する.左結腸間膜を後腹膜の剥離層と繋げて充分なワーキングスペースを確保する.後腹膜の剥離を脾彎曲部まで可及的に剥離する. IMVはほとんどの症例で皮静脈に向かうため,左側結腸を充分に剥離・遊離することが可能で,腸管切除後の吻合部にテンションの懸からない無理の無い吻合を心がける.また,内側から脾臓を確認することで脾臓から膵尾部を鏡視下に確認が可能になる.
次いで頭高位に体位を変更し,横行結腸間膜を解放したトライツ靱帯から尾側に向かって右側結腸間膜を切離.膵下縁を確認し,SMA/SMVの走行を確認.SMAからMCAの分岐/SMVからMCVの分岐を確認し,周囲リンパ節ともに結紮切離. MCVのバリエーションが多く,この時点で膵下縁の充分なワーキングスペースがあることで安全な手技が可能となる.膵上縁を確認し,足側に充分に剥離.このとき必要があれば副右結腸静脈の結紮切離を追加. 右側結腸を回盲部まで充分に剥離し,右結腸の遊離することで吻合部へのテンションを軽減する.切除吻合に無理が無いことを確認.再建吻合は縫合器を用いて器械吻合を施行する.
【結果】年齢41-82歳(平均70歳).男性:16例,女性:15例.手術時間3:45(80-366分),出血量70ml.病期:0:2Ⅰ:9/Ⅱ:6/Ⅲ:9/Ⅳ:5.左側横行結腸癌は13例,手術時間3:55,出血量82ml.やや左側で,手術時間・出血量で多い傾向にあった.
【結語】
左側横行結腸に対し手術手技を定型化することで安全なリンパ節郭清を伴う腹腔鏡下手術が可能であると考えられる.
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