演題

SY06-6

ドレーン翌日抜去と高リスク症例に対する三種薬剤使用による膵液瘻抑制

[演者] 足立 智彦:1
[著者] 大野 慎一郎:1, 夏田 孔史:1, 曽山 明彦:1, 日高 匡章:1, 藤田 文彦:1, 金高 賢吾:1, 高槻 光寿:1, 江口 晋:1
1:長崎大学大学院 移植・消化器外科学

【背景・目的】
膵切除後膵液瘻(PF)は未だ解決できない合併症である.我々は,1)ドレーンは翌日排液amy測定後に抜去を基本とし,2)翌日排液amy10,000IU/Lの高値例にはドレーン抜去後に三種薬剤(抗生剤/オクトレオチド/蛋白分解酵素)を用いたPF抑制を行ってきた.今回は,①膵尾側(DP)/ ②膵頭側(PD)切除後双方における上記管理下でのPF発症率(PFに対し再穿刺を要した割合)および術後合併症の詳細(Clavien-Dindo 3a以上)を検討した.
【対象】
翌日抜去の対象は,①DP連続86例中,他臓器合併切除7例/感染巣に対する切除5例/翌朝までのドレーン出血3例を除いたDP71例,②PD連続34例中,翌日までのbile leak発生を除いた31例.
【結果】
① DPに関して,術翌日の排液amy値は1391(112-87,550)IU/L,10,000IU/L以上は12/71例(17%)に認め同日より三種薬剤使用,再穿刺を要する等のPF発症率は0%,Clavien-Dindo 3a以上合併症は医原性胃穿孔・胆嚢炎・仮性脾動脈瘤・ARDS・心筋梗塞の5例(7%)のみであり,PF関連合併症は認めなかった.
② 一方PDでは,術翌日の排液amy値は745(8-55,375) IU/L, 排液amy10,000 IU/L以上症例は3/31例(10%)に認め三種薬剤使用したが,全体として再穿刺を要する等のPF発症率は3/31(10)%であった.Clavien-Dindo 3a以上合併症は,PF以外に結腸穿孔2例,SMA塞栓/小腸壊死,腹腔内出血の7例(23%)あり,PFおよび腹腔内合併症を多く認めた.
【結語】
DP後のPFは,ドレーン翌日抜去・翌日排液amy10,000以上症例に対する三種薬剤治療にて抑制可能であり,その他の合併症からも,ドレーンを翌日以降も留置する必要性は認めなかったが,PD後ではドレーン翌日抜去後に再穿刺を要するPFも発症し,腹腔内合併症の早期発見にもつながることから,当科では術後5日間のドレーン留置を基本方針とした.DPとPDでは違ったドレーン管理が可能である.
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