演題

RS1-7-7-3

当院におけるD3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下横行結腸癌手術の工夫

[演者] 石山 隼:1
[著者] 土谷 祐樹:1, 河野 眞吾:1, 丹羽 浩一郎:1, 杉本 起一:1, 五藤 倫敏:1, 福永 哲:2, 梶山 美明:2, 川崎 誠治:2, 坂本 一博:1
1:順天堂大学医学部 下部消化管外科学, 2:順天堂大学医学部 消化器外科学

【はじめに】進行横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術は,難易度が高く,定型化が十分に進んでおらず,各施設で様々な手技が行われている.横行結腸癌に対する腹腔鏡下結腸切除術の手術手順を提示し,当科での工夫と,手術成績を報告する.
【対象・方法】2007年3月から2016年11月までに,横行結腸癌に対し,根治度Aの腹腔鏡下手術は70例に施行されており,その内,D3リンパ節郭清を伴う結腸部分切除術は24例に行われた.2015年9月以前に手術施行された症例を前期群,以降に行われた症例を後期群とし,手術時間,出血量,郭清リンパ節個数,PM,DMの距離,術後在院日数などを検討した.現在,当科で行っている手技を示す.手術は,臍,左右上腹部,左右下腹部の5ポートで行う.最初に,下十二指腸曲腹側の結腸間膜を切開し,十二指腸,膵頭部を背側に剥離しておく.回結腸動静脈根部の頭側で,下十二指腸曲からTreitz靭帯頭側に向かって漿膜を切開し,上腸間膜動静脈を同定,頭側に向かってリンパ節郭清を行うと共に,中結腸動静脈根部を確認,血管を切離する.膵下縁まで十分にリンパ節郭清を行った後に,大網を切開し網嚢を解放,右胃大網静脈をランドマークとして胃結腸静脈幹を求め,尾側からの剥離層と交通させて,右結腸曲を授動する.左結腸を内側アプローチで十分剥離した後,下腸間膜静脈を可能な限り頭側で切離する.網嚢に戻って,膵下縁の切開を左結腸曲に伸ばし,横行結腸間膜の処理と横行結腸の授動を終える.腸管の切離,吻合は体外操作で行うが,その際,腸管の血流評価をICG蛍光法で行っている.
【結果】手術時間,出血量,術後在院日数について,2群間に有意差を認めなかったが,郭清リンパ節個数,PM,DMの距離は,後期群で有意差をもって優れた結果であった.
【まとめ】現在行っている当院での手術では,223リンパ節の郭清を行う症例では癌の局在に関わらず,はじめに下十二指腸曲付近から膵頭部を背側に剥離するようにしている.この操作により,結腸右半切除術と同様の,慣れた視野で手術を進めることができ,確実なリンパ節郭清と血管処理を行うことが可能と考えている.また,ICG蛍光法を用いた吻合部の血流評価は,安全な腸管吻合の手助けとなる.進行横行結腸癌に対する腹腔鏡下結腸切除術は許容される術式であると思われた.
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