演題

RS2-103-16-3

腹腔鏡下胃全摘術後のリニアステープラーを用いた機能的端々吻合によるRoux-enY再建法

[演者] 太田 光彦:1
[著者] 信藤 由成:1, 井口 友宏:2, 吉田 大輔:1, 辻田 英司:2, 南 一仁:1, 山本 学:3, 池部 正彦:1, 森田 勝:1, 藤 也寸志:1
1:九州がんセンター 消化管外科, 2:九州がんセンター 肝胆膵外科, 3:福岡山王病院 外科

【はじめに】当科では2005年から腹腔鏡下幽門側胃切除を導入し,2006年から腹腔鏡下胃全摘術を開始した.現在は胃全摘の必要な胃癌症例に対して腹腔鏡下胃全摘術を行い,再建はリニアステープラーを用いた体腔内機能的端々吻合法を基本として食道空腸吻合を行っている.ただし下部食道切除となり高位での吻合となる症例はサーキュラーステープラーによる吻合を選択している.
【当科での吻合手技】胃全摘術の最後に食道を左前壁から右後壁に向けて切離し,臍部の創を延長し標本を摘出.直視下にブラウン吻合を作成.臍部の創を縫縮後再気腹し,食道左後壁断端に小孔を作成.小孔の端を1針全層縫合して粘膜がずれないように固定し,麻酔科医により小孔からNGチューブの先端を出してもらう.空腸断端の腸間膜対側に小孔を開け45mmのステープラーを挿入.そのままステープラーと挙上空腸を結腸前経路で食道の方向に移動.NGチューブをガイドにしながらチューブ右側の隙間から食道にステープラーを挿入.食道と空腸の断端が揃うように位置調整しファイア.共通孔を正面視し縫合線を確認.共通孔を全層連続縫合で仮閉鎖.糸の両端を支持して60mmのステープラーで閉鎖し吻合完成.
【結果】当科で2013年1月から2016年11月までの期間で,腹腔鏡下胃全摘術+Roux-en Y再建を54例に施行した.年齢中央値は63歳(24-84歳),性別は男/女:36/18.手術時間の中央値442分(240-748分),出血量の中央値130g(少量-900g),郭清範囲はD1+/D2:35/19例,再建法は機能的端々吻合/経口アンビル法:30/24,併施鏡視下手術として下部食道切除7例,胆嚢摘出6例,付属器切除術1例,大腸癌に対する横行結腸切除術1例であった.再建時の偶発症を5例経験し,全例で吻合法の変更が必要であったが4例は腹腔鏡下に対処可能であった.そのほか開腹移行例は出血と他臓器浸潤のためそれぞれ1例ずつであった.Clavien-Dindo分類でGrade3以上の合併症は縫合不全3例,膵液漏3例,胆嚢炎1例であった.そのうち縫合不全の1例で再手術を要した.【まとめ】腹腔鏡下胃全摘術後の食道空腸吻合は狭い場所で行うため非常にストレスがかかる.吻合を安全に行うには手技の定型化が不可欠である.また偶発症に対処できるよう他の再建法も習得しておく必要がある.
詳細検索