演題

RS2-102-16-5

胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術:食道-空腸吻合法別短期治療成績比較

[演者] 志田 敦男:1
[著者] 三森 教雄:1, 藤崎 宗春:1, 高野 裕太:1, 川村 雅彦:1, 岩崎 泰三:1, 村上 慶四郎:1, 高橋 直人:1, 矢永 勝彦:1
1:東京慈恵会医科大学附属病院 消化管外科

[背景と目的]われわれは2007年10月より,胃癌に対して腹腔鏡下胃全摘術(LTG)を導入し,2016年8月までに150症例のLTGを施行してきた.食道-空腸吻合法としては,経口挿入型アンビル(オービル)法が133例,リニアステープラを使用するオーバーラップ法が14例,その他3例であった.LTGに関して標準的な再建法はまだ確立されていない.そこで,オービル法とオーバーラップ法の短期治療成績を比較検証した.[対象と方法]LTGの再建法としてオービル法133症例,オーバーラップ法14症例を対象とし,食道-空腸縫合不全,Clavien-Dindo分類gradeⅢA以上の周術期合併症の有無,手術時間,術中出血量,術後在院日数を解析項目とした.統計解析はStudent's t-testまたはMann-Whitney's U-testを用いた.[結果]術後在院日数と手術時間に関しては両群間に有意差は認めなかった ( 13.1日 vs. 14.4日, P=0.498, 324分 vs. 344分, p=0.168) が,出血量に関しては,有意にオーバーラップ法が少なかった (11g vs. 132g, p<0.001).食道-空腸縫合不全に関してはオービル法の5.3%に対して,オーバーラップ法では1例も縫合不全を認めなかったが,統計学的有意差は認めなかった (p=0.7449).また,Clavien-Dindo分類gradeⅢA以上の周術期合併症の発生率に関しても,両群間に有意差はなかった (14.3% vs. 15.0%, p=0.7449).また,LTG後のClavien-Dindo分類gradeⅢA以上の周術期合併症に影響を与える因子を多変量解析した結果,独立因子は75歳以上(P=0.0045) と食道浸潤の有無(p=0.03)のみであった.[まとめ]LTGの食道-空腸吻合法に関しては,オービル法とオーバーラップ法の間に優劣はない可能性が高いと考えられた.
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