演題

RS2-102-16-4

腹腔鏡下胃全摘術における食道空腸吻合手技と短期成績

[演者] 早田 啓治:1
[著者] 中森 幹人:1, 中村 公紀:1, 尾島 敏康:1, 勝田 将裕:1, 辻 俊明:1, 加藤 智也:1, 北谷 純也:1, 竹内 昭博:1, 山上 裕機:1
1:和歌山県立医科大学附属病院 消化器外科・内分泌・小児外科

【背景】腹腔鏡下胃全摘術における食道空腸吻合は視野展開や吻合手技の複雑性など技術的に困難で,その合併症も多い.当科では2006年11月よりcircular stapler での食道空腸吻合を施行してきたが,2013年6月以降は完全腹腔鏡下Overlap法に変更した.当科での腹腔鏡下胃全摘術の短期成績と手術手技の工夫について報告する.
【方法】対象は2006年11月から2016年2月までに当科で施行した腹腔鏡下胃全摘術を施行した82人.2006年11月~2013年5月のcircular staplerを用いた食道空腸吻合36人(CS群)と2013年6月~2016年2月のlinear staplerを用いたOverlap 法46人(LS群)を比較検討した.
【結果】年齢:CS群66歳(35-83),LS群70歳(40-84),性差(男/女):CS群24/12,LS群38/8,
手術時間:CS群341分(231-578),LS群328分(233-491),出血量:CS群108ml(10-380),LS群151ml(10-620)でいずれも差を認めなった.縫合不全はCS群3人(6%),LS群1人(2.5%)で有意差は認めなかった(p=0.418).吻合部狭窄はCS群7人(20%),LS群では発症なく(0%),CS群で吻合部狭窄が多かった(p=0.002).その他の合併症に差は認めなった.
現在,当科に施行しているOverlap法は食道後壁と挙上空腸の前壁に小孔を作成し,45㎜linear staplerを用いて吻合している.挿入口は3-0V-Loc®全層連続縫合で閉鎖し,3-0モノフィラメント漿膜筋層結節縫合を追加している.当日は吻合のコツやピットホールについてビデオで供覧解説する.
【考察】Overlap法はcircular法と比較し,吻合部狭窄が少なかった.Overlap法は良好な視野での吻合が行え,合併症が少なく,さらに高位での吻合にも対応できる安全性と汎用性を兼ね備えたシンプルな吻合法といえる.
詳細検索