演題

RS2-101-16-5

腹腔鏡下噴門側胃切除術後における体腔内観音開き再建の実際

[演者] 三宅 聡一郎:1
[著者] 久保田 哲史:1, 石田 道拡:1, 丁田 泰宏:1, 原野 雅生:1, 松川 啓義:1, 小島 康知:1, 井谷 史嗣:1, 塩崎 滋弘:1, 岡島 正純:1
1:広島市立広島市民病院 外科

【はじめに】当科では胃体上部に限局する早期胃癌にたいする腹腔鏡下噴門側胃切除術後の再建法として,上川らの考案した観音開き法を採用している.本法を施行するにあたり従来は上腹部正中の小開腹創から直視下に吻合行っていた.その場合,肥満症例や胸郭が厚い症例,短食道症例などでは肝外側区にも阻まれ視野の確保が困難となり,吻合に難渋することがしばしば経験された. そこで2015年より体腔内観音開き再建を導入したところ視野の確保が容易となり,安全で正確な吻合が実現した.一方で手縫いによる体腔内観音開き再建は煩雑であり難易度の高い吻合操作が要求される.本法における吻合の実際と工夫を供覧するとともに,従来の腹腔鏡補助下噴門側胃切除術,開腹噴門側胃切除術と本術式を比較検討したので報告する.【手術の実際】食道切離ラインを同定したのちに遠位側胃切離.2.5×3.5cm大のフッラプを残胃漿膜筋層に形成したのちに起腹操作へ.食道後壁外膜と残胃漿膜筋層の固定は食道切離予定線よりできるだけ距離を稼ぐのが重要で実際は4cmあるとのちの吻合が容易となる.食道切離においては腸管クリップにて切離ラインを把持することで正確な切離が可能で,超音波凝固切開装置での切離が望ましく,電気メスでの切離では食道粘膜が脱落することがある.食道後壁と残胃粘膜粘膜下層吻合においては食道全層に指示糸をかけておくことで正確な吻合が可能で,右→左へ吻合した方が一針前の糸を牽引糸として利用できる.連続縫合糸としては3-0 v-locを使用し,エッケのトラクション及び単結節糸には3-0プロリン90cmを使用している.【結果】新たに導入した本法は手術時間はかかるものの,出血量・手術侵襲において従来法と開腹法と比較して優れており,安全で正確な術式であると考えられた.
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