演題

RS2-101-16-3

SiewertⅡ型食道胃接合部癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除術 ナイフレス自動縫合器を用いた食道細径胃管吻合

[演者] 中島 亮:1
[著者] 吉村 文博:1, 橋本 恭弘:1, 佐藤 啓介:1, 山名 一平:1, 坂本 良平:1, 薦野 晃:1, 山内 靖:1, 長谷川 傑:1
1:福岡大学病院 消化器外科

【はじめに】近年,食道胃接合部癌の増加とともにSiewert typeII食道胃接合部癌(EGJ cancer:esophago-gastric junctional cancer)に対する下部食道噴門側胃切除術(LPG:Laparoscopic proximal gastrectomy)を行う機会が増えている.今回,当科で行っている腹腔鏡下下部食道噴門側胃切除に逆流防止機構を付加した食道細径胃管吻合について報告する.
【手技】まず初めに胃管作成を行う.大彎側は左右大網動脈の境界部より小彎側は右胃動脈第1,2分枝間へ向かい自動縫合器を用いて幅3.5cmの細径胃管の作成を腹腔内で行う.切離した胃を観音開きとし腹腔動脈周囲リンパ節郭清を行う.次に経食道裂孔的に下部食道切除と下縦隔郭清を伴う噴門側胃切除を行う.食道の浸潤距離に応じて左横隔膜に切開(左開胸)を加え,視野確保に備える.食道胃管吻合は,胃管の先端より約4cmの前壁と食道断端片側に孔をあけ,胃管先端が食道背側に固定されるようにナイフレス自動縫合器を挿入しファイアーする.つぎにエントリーホールより固定された食道胃管ステイプル間を15mm切離し吻合孔を確保する.最後にエントリーホールを単結節縫合し縫合閉鎖する.
【結果】2016年4月~2016年11月までにSiewert II型食道胃接合部癌に対して腹腔鏡下下部食道噴門側胃切除術を11例に施行した.平均年齢は73歳(56-83歳),StageⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ:4/4/1/2,平均吻合時間80分,平均出血量95ml,吻合関連合併症は縫合不全1例(Clavien-Lindo分類Ⅱ),術後在院日数17.3日であった.逆流の評価では,全例に逆流の症状はなく,術後に内視鏡を施行した3例でも逆流性食道炎の内視鏡所見はなかった.
【考察】細径胃管を用いることで縦隔内での再建が比較的容易で,吻合箇所も1ケ所であるため手術時間の短縮が可能となる.またナイフレス自動縫合器による食道胃吻合により食道背側に固定された胃管先端が,あたかも穹隆部様(Pseudo-Fornix)となり,噴門側胃切除術後の逆流防止につながると考えられる.
【結語】腹腔鏡下下部食道噴門側胃切除術後にナイフレス自動縫合器を用いた食道細径胃管吻合を行うことで,十分な治療効果と良好な機能予後が期待できる.
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