演題

RS2-101-16-1

腹腔鏡下胃全摘術/噴門側胃切除術における経口アンビル(OrVil)を用いた食道・空腸吻合の狭窄の検討

[演者] 有留 邦明:1
[著者] 萩原 貴彦:1, 盛 真一郎:2, 久保 昌亮:1, 柳 政行:2, 和田 真澄:1, 有上 貴明:2, 上之園 芳一:2, 夏越 祥次:2
1:済生会川内病院 外科, 2:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学

LATG/LAPG後の食道空腸吻合は,症例に応じて,Linear Staplerを用いた吻合およびCircular Staplerを用いた吻合を使い分ける必要がある.今回,1年以上経過したcStageI早期胃癌に対して施行されたLATG施行33症例(胃体上部胃癌:21症例,多発胃癌:12症例),LAPG施行11例(胃体上部胃癌:11症例)について,経口アンビル(OrVil)法による食道・空腸吻合の狭窄について検討したので報告する.LATG/LAPGにて胃摘出の後,臍部の小切開創からLinear Stapler を用いて,当院標準吻合であるY脚空腸パウチを作製する.さらにLAPG においてはY脚空腸パウチより20㎝の口側空腸にLinear Stapler (60mm)を用いて,空腸・残胃側々吻合を施行する.最後に,経口アンビル(OrVil)を挿入し,腹腔鏡下に食道・空腸吻合を行う.食道空腸吻合部縫合不全は,LATG, 初回症例1例(3%)のみに認めたが,吻合部狭窄はLATG:5例(15%),LAPG:4例(36%)に認め,経口アンビル(OrVil)法による吻合部関連の主要な合併症と判断された.食道空腸吻合部狭窄症状の発現時期は,LATGおよびLAPGにおいても平均2.2か月であった.症状発現時に,内視鏡下バルーン拡張術を施行し,全症例治癒となった.最近は,術後2ヵ月には,内視鏡検査を予定し,食道・空腸吻合部狭窄に対しては,早期に内視鏡下加療を行っている.狭窄例および非狭窄例のビデオを検討したところ,狭窄例は,ベッセルテーブで固定した吻合部に過度の緊張がかかっていることが示唆された.吻合部の緊張が狭窄の原因と判断し,腹腔内にて本体センターシャフトとアンビルのセンターロッドが接続する直前にベッセルテープの固定を外し,また,吻合の際に拳上空腸に捻じれのないように留意した.このような術式の後,同吻合部狭窄例は,認めていない.LATGおよびLAPG群における,狭窄例,非狭窄症例の食事摂取量も同等で,6か月後,1年後のBody Mass Indexに差がなく,栄養状態も同等である.LATG/LAPGにおいて,経口アンビル(OrVil)法による食道・空腸吻合は,緊張のない吻合に留意し,狭窄の早期の内視鏡診断,内視鏡下バルーン拡張術の加療にて,術後の食事摂取量,栄養状態は良好になりえると考えられる.
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