演題

RS1-47-16-4

腹腔鏡下噴門側胃切除後ダブルトラクト再建の手技と工夫

[演者] 浦田 順久:1
[著者] 櫻井 克宣:1, 玉森 豊:1, 久保 尚士:1, 村田 哲洋:2, 高台 真太郎:2, 日月 亜紀子:1, 井上 透:1, 金沢 景繁:2, 西口 幸雄:1
1:大阪市立総合医療センター 消化器外科, 2:大阪市立総合医療センター 肝胆膵外科

【はじめに】近年,機能温存の観点から胃上部早期癌に対し,噴門側胃切除術が施行される機会が増えてきている.当院では積極的に鏡視下での胃切除を施行しており,腹腔鏡下噴門側胃切除(以下,LPG)の症例も増加している.噴門側胃切除後の再建法としてはダブルトラクト再建,食道残胃吻合,空腸間置などが知られている.今回,当院で施行しているダブルトラクト再建の手技を供覧し,治療成績を報告する.
【手術手技】当院での腹腔鏡下胃切除では術式に関わらず5ポートで行っているが,LPGの際には右側ポートをやや頭側内側へ留置している.残胃の大きさは病変によって規定され,自動縫合器で切離する.食道を切離する際は両端に支持糸を置き,時計方向に90°捻じって離断している.再建腸管作成のためにTreitz靭帯より約20cmの肛門側で自動縫合器を用いて切離した後に,犠牲腸管を約10cm程度作成しておく.食道空腸吻合はOverlap法にて行い,共通孔はBarbed sutureにて連続縫合閉鎖する.さらに約20cm肛門側から口側へ向けて60mmの自動縫合器を挿入し,胃大彎前壁側と側々吻合する.最後にY脚吻合は残胃空腸吻合部の約20cm肛門側で体外または鏡視下に施行し再建は終了となる.
【結果】2010年2月より2016年6月までにLPGは49例施行されており,うち27例にダブルトラクト再建を施行した.年齢65歳(27~85),男性26例,女性17例.手術時間は353.6±81.4分,出血量は115.3±119.8ml.pStage IA:34例,IB:3例,IIA:4例,IIB:1例,IIIA:1例であった.Clavien-Dindo分類GradeIII以上の術後合併症は4例(14.8%)に認め,縫合不全が3例,膵液瘻が1例であった.
【まとめ】ダブルトラクト再建は吻合箇所が多く時間がかかるものの,残胃の大きさや食道離断の高さによらず施行可能で,安定した成績が得られ有用な方法と考えられる.
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