演題

RS1-46-16-5

腹腔鏡下幽門保存胃切除術での簡便で安全な体腔内三角吻合のコツ

[演者] 渡部 雅人:1
[著者] 石川 奈美:1, 末原 伸泰:1, 西原 一善:1, 中野 徹:1
1:北九州市立医療センター 消化器外科

[目的]胃中部cT1N0腫瘍に対する幽門保存胃切除術の体腔内吻合法は手縫いまたは自動縫合器の使用法も確立されていない.そこでlinear stapler(LS)を活用した三角吻合を施行して良好な成績を収めているので手技のコツを報告する.[方法]リンパ節郭清はD1もしくはD1+,幽門下動(静)脈と右胃動静脈および迷走神経肝枝と腹腔枝を温存して,胃離断は幽門から5cm口側および左胃大網動脈最終前枝で両側とも大彎から小彎に向かって長軸方向垂直にLS60mmで切離する.体腔内三角吻合はLS60mmを3回使用する.1辺目は幽門洞大彎断端および噴門側残胃大彎断端に小口を開けLS60mmを挿入し離断面後壁を平行に合わせるようにfireすると下列のstapleが後壁内翻縫合となる.1辺目で作成された共通口と上列のstapleをそれぞれ2辺目と3辺目で切除する.1辺目の後壁内翻縫合の両側端に支持糸を置き,前壁中央にも支持糸を置く.2辺目は後壁縫合と60度となるようにLS60mmを1段階腹側に屈曲して後壁大彎の支持糸から先の共通口を切除するように前壁中央の支持糸までfireすると前壁尾側外翻縫合となる.3辺目は前壁中央の切離端から後壁小彎の支持糸まで後壁縫合と60度となるようにLS60mmを1段階背側に屈曲して1辺目の上列の前壁内翻したstapleを切除するようにfireすると前壁頭側外翻縫合となり三角吻合が完成する. [成績] 2013年6月より2016年11月まで35例施行して縫合不全や吻合部狭窄も認めず胃排出遅延もなかった.[考察] 胃切後の体腔内三角吻合は一般に3辺目の前壁頭側縫合が困難とされ,臍部からの腹腔鏡では小彎側の視野が十分でなく,幽門洞の小彎切離断端も合併切除しようとするとLSの圧縮が不可能なこともある.3辺目の縫合では1辺目の縫合で形成された上列の前壁内翻縫合のみを切除して,幽門洞の小彎切離断端は噴門側残胃の小彎切離断端と同様に遺残させても問題とならないため合併切除することに固執しないことが簡便で安全な吻合法と考えている.手技の実際をビデオで供覧する.
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