演題

RS1-46-16-2

リニアステイプラーによる完全鏡視下胃切除術の再建の定型化

[演者] 山口 和也:1
[著者] 棚橋 利行:1, 松井 聡(岐阜大学大学院):1, 今井 寿:1, 田中 善宏:1, 松橋 延壽:1, 高橋 孝夫:1, 長田 真二:1, 吉田 和弘:1
1:岐阜大学大学院 腫瘍外科学

【はじめに】
当科では早期胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術を2001年に開始し,当初小開腹創から手縫い再建を行っていた.2004年から幽門側胃切除術に対するデルタ吻合を導入し,その後,2006年に噴門側胃切除術,2010年に胃全摘術の再建にリニアステイプラーによる体内吻合を行うことで,すべての術式において完全鏡視下手術に移行した.今回,改良を重ねてきた噴門側胃切除術の噴門形成を伴う食道残胃吻合と胃全摘術におけるR-Y再建について供覧する.
【結果】
2016年12月までに420例の腹腔鏡下胃切除術を行い,幽門保存胃切除術が8例,幽門側胃切除術が336例,噴門側胃切除術が42例,胃全摘術が34例であった.そのうち,デルタ吻合の289例,幽門側胃切除術におけるR-Y再建の36例,噴門側胃切除術における食道残胃吻合の35例,胃全摘における食道空腸吻合の29例に対して,リニアステイプラーを使用した再建を施行した.再建に関する合併症として,縫合不全はデルタ吻合が5例,噴門側胃切除術の食道残胃吻合が1例,胃全摘術の食道空腸吻合では認めなかった.吻合部狭窄は,デルタ吻合が3例,食道残胃吻合が1例,食道空腸吻合では認めなかった.

鏡視下手術の低侵襲性の追求には,体壁破壊を最小限におさえることは重要である.そのため体腔内での胃切離・再建が必要であり,リニアステイプラーが有用で定型化することが肝要である.再建における体腔内操作は,小開腹創からの操作に比較して体型に左右されることなく良好な視野を確保し一定の手技が可能となるため,BMIによる難易度の差が少ないことがメリットである.リニアステイプラーによる吻合は側々吻合が基本であり,吻合する2臓器の小孔の作成,側々吻合,側々吻合後の共通孔閉鎖の3つの操作で完了する.2臓器を合わせる1回目のリニアステイプラーの使用,共通孔閉鎖における助手との協調動作,操作上のコツ,ピットフォールについて供覧する.
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