演題

SY06-2

膵切除後膵液瘻に対するBlumgart変法縫合を用いた当教室の手術手技(PD, DP, MP)

[演者] 藤井 努:1
[著者] 山田 豪:1, 杉本 博行:1, 高見 秀樹:1, 林 真路:1, 神田 光郎:1, 中山 吾郎:1, 小池 聖彦:1, 藤原 道隆:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学

【背景・目的】われわれは膵空腸密着縫合法としてのBlumgart変法縫合を開発し,主に2010年4月より導入してきた.同手技の膵液瘻予防における有用性を検討する.
【方法】当教室で2008年1月から2016年3月までに経験した膵切除術は636例.内訳はPDが380例,DPが155例,MPが29例,TPが27例,PHRSDが25例,残膵全摘が6例,部分切除が11例,中央区域温存膵切除が3例.Blumgart変法縫合はPDにおける膵空腸吻合,DPにおける挙上空腸漿膜パッチ,MPにおける挙上空腸ループ再建において導入した.不適格例を除外した後,1)PD364例,2)DP 102例,3)MP27例において,それぞれの従来手技と,Blumgart変法縫合を用いた新しい手技を比較検討した.
【結果】1) PDにおける従来手技(n=140)は柿田式密着縫合で,Blumgart変法縫合群(n=224)と比較.年齢:67(18-83) vs 67(38-84)歳,男/女:84/56 vs 129/95,膵硬度 soft/hard:60/80 vs 105/119と有意差なし.ISGPF grade B以上の膵液瘻発生率は,従来法に比べてBlumgart変法縫合群で有意に低く(36.4% vs 4.0%, P<0.001),ドレーン留置期間中央値,術後在院期間中央値もBlumgart変法縫合群で有意に短縮した(8(4-128) vs 5(3-53)日, P<0.001) (35(23-139) vs 23(12-60)日, P<0.001). 2) DPにおける従来手技(n=51)はメスによる膵切断+主膵管縫合閉鎖で,Blumgart変法縫合群(n=51)と比較.年齢:66(24-82) vs 65(22-89)歳,男/女:28/23 vs 26/25と有意差なし.grade B以上の膵液瘻発生率は,従来法に比べてBlumgart変法縫合群で有意に低く(35.3% vs 9.8%, P=0.002),ドレーン留置期間中央値,術後在院期間中央値もBlumgart変法縫合群で有意に短縮した(13(4-89) vs 9(4-69)日, P=0.002) (28(12-168) vs 18(9-54)日, P<0.001). 3) MPにおける従来手技(n=11)は膵頭部側断端はメスによる膵切断+主膵管縫合閉鎖,膵尾部側断端は膵胃吻合で,Blumgart変法縫合群(n=16)と比較.年齢:66(37-72) vs 60.5(30-66)歳で有意差なし,男/女:10/1 vs 5/11で従来法で有意に男性が多い.grade B以上の膵液瘻発生率は,従来法に比べてBlumgart変法縫合群で有意に低く(72.7% vs 25.0%, P=0.014),ドレーン留置期間中央値,術後在院期間中央値もBlumgart変法縫合群で有意に短縮した(15(7-42) vs 23(7-74)日, P=0.027) (38(19-83) vs 23.5(15-43)日, P=0.010).
【結語】膵切除(PD,DP,MP)後膵液瘻防止において,Blumgart変法縫合は有用であった.
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