演題

RS1-45-16-3

当科における腹腔鏡下幽門側胃切除,Billroth I法再建における体腔内三角吻合

[演者] 金澤 卓:1
[著者] 浅海 信也:1, 門田 一晃:1, 黒瀬 洋平:1, 日置 勝義:1, 佐藤 直広:1, 神原 健:1, 貞森 裕:1, 大野 聡:1, 高倉 範尚:1
1:福山市民病院 外科

【はじめに】
腹腔鏡下幽門側胃切除におけるBillroth I法再建として,当科では,2011年から体腔内吻合を導入し,デルタ吻合を経由した後,2013年から虚血域のない吻合と手術手技の簡便性を目指し三角吻合を導入している.当院での三角吻合の手術成績,手術手技の実際を報告する.
【方法】
胃・十二指腸はねじれなく,大弯から小弯に向かって切離する.十二指腸断端,残胃断端の大弯に小孔を開ける.吻合は助手の左手ポートから行う.胃十二指腸ともに,切離ラインに平行に,後壁寄りで45mm自動吻合器で後壁を吻合し1辺目とする.内腔の止血を確認した後,挿入孔を短軸方向に閉じるように,挿入孔を3針仮閉鎖して挙上する.2辺目は,仮閉鎖した挿入孔を,後壁吻合から60度角度をつけて吻合の1/3程度を縫合するように,断端閉鎖を行う.最後の3辺目は,虚血領域となる十二指腸断端を切り取り,胃切離断端のステイプルを横切ることを確認し吻合する.
【考察】
当科ではこれまでに三角吻合67例,デルタ吻合12例を経験した.手術時間,吻合にかかる平均時間は三角吻合が248分,24分でデルタ吻合が265分,28分と三角吻合の方が短い傾向にあった.両群ともに縫合不全や吻合部出血などは認めず,在院日数は両群ともに9日前後で差は認めなかった.三角吻合群で1例,術後吻合部浮腫による再入院を認めた.術後内視鏡で確認しても吻合口の大きさは三角吻合,デルタ吻合の間に大きな差は認められなかった.三角吻合の利点としてはデルタ吻合に比べ胃十二指腸断端縫合時のねじれがないぶんだけ比較的容易に吻合操作が行える点と,虚血域となる十二指腸断端を切離することでより安全な吻合を目指せる点があげられる.
【結語】
三角吻合はデルタ吻合に比べ,手術時間,合併症など手術成績は遜色ない結果であった.三角吻合によるB-Ⅰ再建は有用な再建方法の1つであると考えられる.
詳細検索