演題

RS1-44-16-6

腹腔鏡下幽門側胃切除におけるBillroth I法Converse Ω吻合の安全性と有用性

[演者] 佐藤 渉:1
[著者] 國崎 主税:1, 田中 優作:1, 宮本 洋:1, 小坂 隆司:1, 湯川 寛夫:1, 大田 貢由:1, 佐藤 圭:2, 秋山 浩利:2, 遠藤 格:2
1:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 2:横浜市立大学附属病院 消化器・肝移植外科

背景:腹腔鏡下幽門側胃切除における再建法は,上腹部に小切開をおく腹腔鏡補助下と完全鏡視下体腔内吻合に分けられる.完全鏡視下再建は難易度が高いが,整容性に優れる.
目的:当院で行っているBillroth I法体腔内再建 (Converse Ω吻合)の有用性と安全性を明らかにする.
対象・方法:2013年4月から2016年9月までに胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除・Billroth I法再建を施行した124例を対象とした.補助下再建(55例)は5cmの小開腹創からcircular staplerを用いた側端吻合で行った.Converse Ωによる体腔内吻合再建(69例)は残胃と十二指腸断端大彎側に小孔を開け60mmのlinear staplerで後壁に側々吻合を行い,stapler挿入孔を仮閉鎖したのちに30-60mmのlinear stapler 2回で縫合閉鎖した.両再建法で吻合関連合併症,吻合時間,さらに体腔内吻合の術者別の治療成績を比較検討した.
結果:吻合関連合併症;補助下再建群と体腔内再建群を比較すると縫合不全発生率(%) (9.1 (5例) vs. 2.9 (2例), p=0.138)と吻合部狭窄発生率(%)は差がなかった(5.5 (3例) vs. 7.2 (5例), p=0.491).縫合不全はいずれもClavien-Dindo(CD)分類Grade Ⅲaでドレナージによる保存的治療で軽快した.吻合部狭窄は完全鏡視下再建群で2例内視鏡下拡張術(CD分類Grade Ⅲa)を,虚血によると考えられる吻合部狭窄1例に対し,残胃空腸バイパス術を施行した(CD分類Grade Ⅲb).
吻合時間(min);体腔内再建群で有意に長かった(32.2±17.3 vs. 49.6±20.3, p=0.000).Reduced port surgery施行率(%)は体腔内再建群で多かった(1.8 (1例) vs. 43.5 (30例), p=0.000).
体腔内吻合術者別治療成績;内視鏡外科技術認定医の術者Aが51例,それ以外の術者B(術者A指導下)が18例施行した.縫合不全発生率(%)(2.0 (1例) vs. 5.6 (1例), p=0.457)であったが,いずれも膵液瘻が先行し術後13日目と12日目に発生していた.吻合部狭窄・通過障害発生率(%)(7.8 vs. 5.6, p=1.000)に差はなく吻合時間(min)は術者Aが短かった(45.2±15.8 vs. 61.8±26.5, p=0.006).
考察:体腔内吻合は吻合時間が長くなるものの,安全性に問題はないと考えらえた.技術認定医指導の元で他の術者が施行しても安全に施行できる吻合法と思われる.縫合不全発生率を減少させるためには,膵液瘻にならないような慎重な術中操作が必要と思われる.
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